エレボスvsフレン  3

「流石に全快は無理か」

(昔母さんとの模擬戦でどう足掻いても思考して回避するのが間に合わなかったからカンで回避するって言う天才じみた方法を編み出していたがそれが無かったら今頃死んでたな)

エレボスは剣をぶつけた刹那でそう考える

「でも、俺の領域に入ったな!」

そしてエレボスの剣の乱撃が始まる 

キン キン キン

「マジか、これを防ぐのかよ」

フレンは杖でそれを防ぐ

(これはよほど対近接の特訓してるな、、、遠距離最強が対近距離技能持ってるのは合理的だが最悪だな)

エレボスはフレンのレベルの高さと隙のなさに嫌気がさす

「、、、大罪司教の十八番使わせて貰うか」

そんなエレボスはふとそう呟いた

「え?」

そしてそれが聞こえたフレンは顔を顰める

「月詠流・菜月式・星見酒・酔」

スパン

「なっ!」

フレンは腕を切り落とされた

そしてその理由はフレンにはわからない 斬られたことは分かるが刀は確かに杖で受け止めている

「これを攻略するのに俺も相当な時間が掛かったからな、、、自分が苦しめられた技ほど信用できる技はないな」

エレボスの繰り出した技は先の悪魔教団本拠地戦にて怠惰の大罪司教ベルフェの不可視の斬撃でありエレボスはこれに数十回殺されどうにか死なずに済んだと言う技である

「さて?両手が無くなった杖も握れないよな!」

エレボスは刀を振り上げる

「っ!杖が無くとも!」

フレンは杖無しの自力で魔法陣を一つ自身の前に出し

「バースト・トルネード!!」

軽く人が消し飛ぶ威力の暴風をエレボスに放った

そしてそれは

「がぁ!」

確実にエレボスの腹に大穴を開けた

(さっきとは違う!確実に殺した!)

フレンは自身の目でエレボスに致命の一撃を与えた事を確認した 

だからこそ

スパン

「え?」

フレンの首は宙を舞う事となった

コトン

フレンの首が地面に落ちたと同時に

「やっぱり幻影ってのは強いねー」

フレンの背の方に居るエレボスがそう呟いた

そして同時に大穴が空いたエレボスは煙のように消えた

(月詠流・菜月式・星見酒・酔、、、あれは不可視の飛ぶ斬撃を放つ。ただ俺が食らったのと違って斬られた時に副次効果で精神支配に罹る。まるで湖に反射する月を本物と思う酔っぱらいのように)

カチャ

エレボスは刀を鞘に仕舞う

「どうでしたかフレイヤさん」

そして見ていたフレイヤに感想を問う

「い、今の技って、、、見よう見まねで?嘘でしょ」

フレイヤはエレボスがベルフェの技を使ったことに驚愕していた

「ははは」

(ハジメにこの技の仕組みを聞いてたんだよなー、、、でも、この技別にすごい魔法じゃないんだよな。最強の大罪司教の技があんな子供だましとはな)

しかしエレボスは自身の使った技のくだらなさに乾いた笑いが出る

「凄いわね、、、まさかフレンを殺すなんて」

「実戦経験の差ですね。次やったら負けますよ」

エレボスは苦笑いしてそう言う

「なるほどね。やっぱりフレンに旅をさせるべきかしらね、、、まー、頑張りなさい」

「はい!」

そうしてエレボスは浮島から出ようとする

「、、、ただ、実勢経験を積んでてもこの力は想定外だったようね」

グサッ


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