メルトの話した昔話・総集編+α+β

昔々サフラン王国という国に九尾の狐を母に持つ少女が居ました。少女の母親は王国の王様でした。少女その国の王女様でした。母親は少女に王国を任せる為にと様々な教育を行いました。勉強はとても難しく少女にとってそれはとても辛いものでした。しかしいつもいつも勉強が終わったら母親は少女に「愛している」と告げました。少女は母親にその言葉を言ってもらいたいが為に勉強を頑張りました。

 そんな少女ですが2つだけ母親に絶対にやるなと言われていることがありました。それは武器を持つことと魔法を使うことです。何故かと少女が母親に聞くと「貴方は体が弱いからよ」と答えました。しかし少女はその答えに疑問を持ちました、何故なら少女はとても元気で病気など罹ったことがありませんでしたし魔力も母親の影響で多く持っていました。

 そして少女が16になった時に事件が起こりました。北にある大国であったセラフ神聖国から使者が訪れました。そして使者は2つの話を王様であった母親に告げました。1つは少女をセラフの学園で学ばせないかという話でした。少女は外の世界へ行けると喜びましたが母親は断固拒否しました。2つめはサフラン王国のさらに南にある蛮族の国バビロニアを共に攻め滅ぼしサフラン王国に併合しないかという話でした。そしてそれには母親は大変喜び同意しました。

 そうして使者はひとまずは返答に満足しセラフへか言って行きました。しかし少女は大変不満でした。そして母親に何故学園に言ってはいけないのだと問うと「貴方は体が弱いからよ」と答えました。しかし少女はもう16です。そんな答えでは納得しませんでした。そして母親にさらに問うとなんと母親は少女に手を上げ力尽くで黙らせました。そして従者に少女の監視を任せると母親はバビロニアを亡ぼす策を考えるためほとんどと顔を合わせませんでした。

 そんな状況に不満を持っていた時再びセラフから使者が訪れました。しかし前回と違ったことは使者の護衛として{勇者}が居たことでした。そして使者が話している間に勇者は王宮を歩きそして少女と出会いました。少女は初めて見る勇者に興奮しながらも勇者に自分を外の世界に連れて行ってと頼みました。勇者は少女の願いを聞き入れ使者にそのことを告げましたすると使者は快諾し「明日の夜に勇者に迎えに行かせます」と告げました


そしてそれが少女の運命を狂わせることとなりました


翌日の夜、約束通り勇者は少女を迎えに来ました。

しかし別の人間も少女を迎えに来ていました。迎えに来た勇者の背後から白銀の狼種の獣人の青年が襲い掛かり勇者を倒すとそのまま少女を誘拐していきました。その青年の正体はバビロニア領主の1人息子であった。青年は領主である父親の命令で少女を攫おうとしたのだが勇者には勝てないと悟り不意打ちを選んだ。こんなことができる繰りには青年は無駄に賢かった。だからこそパンドラの箱を開けてしまった

 そしてバビロニアに連れていかれた少女はそのまま牢に捕らわれた。しかし少女はその生活に一切の苦痛を感じなかった。牢の環境は自由出れない以外は住んでいた王宮の自室と変わらないどころか本など暇をつぶすものが多くあった。そして勉強をしなくてもよかった。母親の愛しているという言葉は無かったが代わりに少女を攫った青年が心配して良く話し相手になってくれたり秘密で外に連れ出したりしてくれたことなどで少女は最も楽しい時間を送った

 しかし捕らえられて半年が過ぎたある日、外からとても激しい戦闘音が聞こえた。そのことに恐れているといつものように牢を青年は訪れた。しかし全身から血を流していた。そして青年は驚く少女を抱き抱えそのままバビロニアからもサフランからも遠く離れたエモクロア共和国から続く森へ逃げ込んだ。そしてそれと同時に無理をした青年は倒れてしまった。少女は青年を救うために初めて魔法を使い青年の傷を治し森の恵みなどを得てどうにか青年が意識を取り戻すまでの間生き延びた。そして1週間が経ち青年は目覚めた。そして少女はなぜ自分をこの森まで連れて来たかを青年に聞いた。すると青年は「お前の命が危なかったんだ」とだけ答え「俺の体が治ったら一緒に旅をしよう」と少女に笑顔で言った。そして少女はそれに喜びさらに1月の間2人は森に居た。そして青年の傷が治り2人は旅に出た。そこでは様々な出会いがあったり絶景を見たり時に危機があったりと楽しくて刺激的な旅だった。

 だがそんな幸せは2人には許されなかった。旅をして1年が経った時ふと少女は「お母さんに会いたい」と青年に言った。半ば喧嘩別れと言っても良い母親だが1年半以上離れていたということや元々好きだったこともあり少女はそう考えてしまった。そして青年もがあったためそれに同意した。同意してしまったんだ。


だからあの災厄が起こった


サフラン王国に戻った少女は驚愕した。何故ならば至る所にみすぼらしい服を着た痩せこけた獣人が居たからだ。しかしそれはサフラン王国民ではなかった。ではその獣人たちはなにか。それはバビロニアに暮らしていた獣人たちであった。「なんでこんなことに」と少女が呟くと青年は答えた「1年半前にサフラン王国とセラフ神聖国の連合軍がバビロニアを滅ぼしたんだよ。そしてセラフ神聖国主導の元バビロニア住民を奴隷にしたんだよ」と。

 少女は王宮へ向かった。行方不明になっていたとはいえ1年半程度だ。すぐに王女だと門番や周りの住民が気が付き少女は王宮に入ることができた。そして青年は少女について行かなかった。

 母親と再開した少女は絶句した。優しかった母親の笑みは傍若無人な王の薄汚い笑みに変わり座る玉座はバビロニアの領主そのものだった。「何故奴隷なんてむごいことを!」と少女が言うと母親は「家畜を飼うことに問題が?」と返した。そこで少女は絶望した。そんな少女に追い打ちをするように母親はなんと赤子を少女に見せた。そして「貴方の妹よ」と少女に告げたのであった。そしてその瞬間少女は自分の家族が消えたのだと気がついたのであった。

 少女は逃げようとした。しかし母親はそれを踏まえて許さず自らの力で少女を拘束し冷たく狭い牢に監禁した。少女は涙を流した。家族が失われたことも悲しかったが何よりもセラフ神聖国主導とはいえ優しかった母親が奴隷制というあまりにも酷い法を作ったことがあまりにも悲しく辛く信じたく無いことどであった。そしてそんな少女の涙を牢で流していると牢の外になんとあの青年が居ました。青年はこうなることを予感して少女と一度別れていたのです。青年は少女を救い出すとそのまま国を出ようと少女を抱えて走り出しました。しかし運命は2人が逃げ出すのを拒みます。あと少しで王都から出れるというタイミングでなんと勇者が現れました。

 勇者は「諦めろ。真正面からじゃ勝てるわけないだろ!」と泣きそうな顔で言いました。勇者だってこんな事はしたくなかったのです。しかし青年はその事に気がつきませんでした。もしここが気がついたいれば未来は変わったかもしれません。しかしその未来はありませんでした。

 結論、青年は勇者に大敗しました。ただし最後に1撃だけ撃ち込んだ魔法によって勇者は負傷することとなりました。しかしそれだけです。それで終わりでした。しかし2人を襲う悲劇はこれで済みませんでした。

 追手の聖騎士や兵隊が2人を取り囲んだのです。絶対絶命の状態。青年の心には絶望と諦めがありました。

 ドカン!!

 そんな中、勇者の体に白く輝いた炎の球が当たりました。そしてそれは勇者を一撃で昏倒させるほどの威力でした。そんな魔法を放ったの純白色の尾を9本生やしと狼の耳と牙を持った少女でした。そして少女はそのまま聖騎士や兵隊、、、さらには王都全土を炎で焼き尽くしました

 焼けた王都で生き残ったのは6人。

青年・少女・勇者・少女の母親・青年の父親・勇者と母親の間に生まれた赤子 の6人だ。

そしてその場で戦えるのは少女・母親・父親の3人だった。そして王都を滅ぼされた母親は怒り狂い実の娘である少女を殺そうとする。しかし青年の父親が母親に襲い掛かり「逃げろ!!」と少女に叫んだ。そして少女は青年を負ぶって1年半前に暮らしていた森へ逃げ込んだ。

 森に逃げ込んだ少女は青年の傷を癒す。しかし前とは決定的に違うことが一つあった。それは少女が燃え上がるほどの恋心を青年に抱いていたということだ。一年半の間に様々な理由で少女の恋心は深まって行った。そしてトドメに絶望の状態から救い出してくれたことで恋心は燃え上がった。

 しかし少女の精神は燃え上がった恋心に耐えきれるほど安定していなかった。文字通り獣のごとく青年との性行為に明け暮れた。精神の摩耗と親の血という外部的要因に加え一尾しかなかった尻尾が一気に九尾に増えたためその負荷が精神の枷を破壊した。そして1月の間そんな生活を送っていたある日その生活は終わった。セラフの軍隊が森に攻め込んできたのだ。王都を軽く消し飛ばし勇者をほぼ一撃で屠るその強さの前にセラフは本気で少女を討伐しに来た。

 少女は軍隊相手になんと部隊の7割の命を刈り取った。しかしそれまでだった。軍を率いていた聖騎士団長の手によって少女は捕らえられた。そして残った部隊で青年を探すが青年の姿は無かった。聖騎士団長は少女に詰問するが少女も青年の居場所が分からなく混乱する。むしろ少女は青年が意識こそあるがまだ到底動ける状態でないことを知っているので最も混乱していた。そんな様子を見て勇者は少女も知らないようだし不測の事態が起こらないように帰還しましょうと告げた。そうして少女はセラフに連れていかれた

 セラフに連れて行かれた少女はセラフ中層・上層部の慰め者とされた昼夜問わず犯された。しかし少女は魔法で自身の胎に宿ったかもしれない命を守るために子宮に結界を張った。そして処刑前夜の日最後に相手をさせられたのが教祖であった。教祖は少女の結界を破壊したうえで犯した。そして終わった後少女の元に勇者が訪れた。そして勇者は少女にとある提案をし少女はそれを受け入れた

 そして処刑の日。少女は他にも処刑犯がいる断頭台の上で人生最後の絶望をする。自身が処刑される理由は大量虐殺と奴隷制の主導者であるという言うのだ。本来の主導者であるのはセラフと母親であるはずなのにその罪を自身に擦り付けたのだと少女は絶望した

 絶望に染まる少女は遂にその首を切り落とされることとなった。

そして少女の首を切り落とすギロチンの刃が上がったその瞬間断頭台が消し飛んだ。その理由は黒髪黒目の男が魔法で消し飛ばしたからだ。そしてその男の後ろに居た緑髪の女が同じ断頭台に居た桃髪の女性を助け出したことで断頭台を中心に戦闘が始まった。そしてその隙を突いたように青年が少女を助けに戦場に参入した。青年は邪魔な聖騎士達を全身傷だらけになりながらも殺し道を開くと少女の元に辿り着く。しかしまるで最後の壁のように少女の母親が青年に襲い掛かって来た。傷だらけの青年では絶対に勝つことがかなわない圧倒的な強敵。しかし青年は眼に花の紋章を浮かべた。すると毛の色が黄金に輝きだしたそのまま母親に持っていた槍を刺しそのまま食い殺した。そして少女を救い出すとそのまま用意していた馬に乗り三度森に逃げるのであった。

 森に辿り着いた2人だったが追手の聖騎士がすぐそばまで迫っていた。眼の紋章も消え傷だらけとなった青年では到底相手どれない。しかしせめて少女だけでもと青年は迎撃の準備を始める。しかしそんな青年の後ろから「タイム・アクセラレーション」という少女の呟きが聞こた。そして次の瞬間{グシャッ}という音が少女から発せられた。青年が音に振り向くとそこには腹からおびただしいほどの血を流す少女の姿があった。青年が半狂乱で駆け寄ると少女は「この子を」と1人の赤子を渡した。青年は驚愕と困惑をすると少女は「勇者さんが固有魔法で私のなかに居たこの子を外に出せるまで一瞬で成長するよう魔法を掛けておいてくれたんです。それで今それを起動したんです」と。少女が腹から大量出血をした理由とは処刑前夜に勇者が提案した少女の命と引き換えに少女の胎に宿った子供に生を与える魔法であり、使った少女の腹は急激に赤子の成長に対応できるわけもなく内部から破れるように赤子が出てきたからであった。

 少女は赤子を青年に渡すと「私達の子をお願いします」と告げた。そしてさらに「これから来る聖騎士を倒してそのまま逃げ切るために、、、私の亡骸を食べてください」というあまりにも青年にとって酷なことを告げた。青年がそんなことできないと口から声を出そうとした瞬間少女はキスをしてそれを阻止しそのまま命を落とした

 青年は大粒の涙を流し、苦しさのあまり握る手は爪が激しく食い込み血が流れる。そんな苦しみの中、少女の遺した赤子を守るために青年は少女を食らった。そしてその絶望感と怒りから少女と同じ九尾の尾を生やした。違ったのは少女がまるで自分と同じ純白の毛色に変わったのに対して青年は少女と同じ黄金の毛色に変わったことであった。

 

そして青年は追手の聖騎士を全て殺した


聖騎士を殺し尽くしてても消えない青年の怒りと憎悪の炎

「オギャー」

「っ!」

そんな炎を消し去るような泣き声が聞こえた。少女の命と引き抱えに生まれた赤子の泣き声だ。

 青年にはこの赤子を守らなければという気持ちが湧いた。クソッたれな自分の人生で唯一残った最後の希望。それを守らなければとそんな固く重い思いが復讐心の代わりに燃え盛った

 

だからこそ青年は気がつくことが出来た

青年の耳に本当に本当に微かな足音が後ろから聞こえた。

青年は反射的に避けただからこそ自身と赤子の命の代わりに9本の尻尾全てが切り落とされるだけで済んだ。

青年を襲ったのは今死んだ少女の母親であった。殺したはずの母親は自身を追う聖騎士の後を追って来たのだ

青年は問う「なんで来た!」

母親は返した「大罪を犯した娘を殺しに来た」

青年は再び問う「何を犯したというんだ!」

母親も再び返す「神に逆らったことだと」

それを聞いた瞬間、青年の頭ではとある1人問答が行われた それは


何故は少女を死んだ?

自死だろうか?

いや、死んだ理由は勇者の魔法だ。

では勇者が殺したのか?

いや、勇者は少女を助ける為に魔法を掛けた。なぜ魔法を掛けなければならなかった?

セラフに捕まったからだ。

なぜ捕まった?

少女が虐殺をしたから?

いや、処刑理由は虐殺と奴隷制主導の罪

少女ではなくセラフと母親の主導だ

誰が殺した?

セラフと母親だ


そして再び青年の心に黒い炎が燈る。そして青年と九尾の狐の母親との死闘が始まった。戦闘は母親の方が年の功もあり終始押していた。青年の攻撃を全ていなし反撃とばかりに超火力の炎や雷を撃ち込んでくる。そしてその青年の尻尾と耳は切り落とされ尻尾由来の力も失ったしまい遂に地面に倒れ伏した。

 しかし青年の黒い炎はまだ消えず最後の力を振り絞って再び立ち上がった。だが到底今の自分では勝ち目は無い。だが正義を騙るセラフの犬に負ける事は死んだ時に少女に顔負けが出来ない。そして正義を騙るという言葉から青年は逆転の手段を思いつく。それは切り落とされた耳と尻尾を対価に悪魔契約を結んで力を得るという方法だ。

 禁断の方法である事は青年も理解したいた。しかし青年にそれに手を出した。そして青年は勝ったと油断している母親の隙を付きとある大悪魔と仮契約を果たした。そしてあまりにあまりにもあっさりと母親を食い殺した。


 青年は赤子を連れて森から去ろうとした。青年には赤子の育て方などわからない。帰る先も食い扶持も何も無い。しかし青年は赤子を守り育てると決めた。そしてそんな青年に悪魔の導きがあった。去ろうとした青年の前に黒髪黒目の男が現れた。青年は警戒した。しかし青年はその男を見たことがあった。その男はセラフで断頭台を破壊した男であった

「君!あの王女様はどこにいるの?!君達を助けたいんだ!」

そして男はそう言った

青年はこの森であった事を全て話した

それを聞いた男は

「っ!!!僕はまた間に合わなかったのか!!」

と絶叫し涙を流した

そして

「君とその赤ちゃんだけでも助けさせてくれ!」

そう青年に手を伸ばした

そして青年は男の手を取った


こうして青年は全てを失いそれでも新たに手に入れた唯一の宝物を守る為に今も戦うのであった





α

メルトの昔話には様々な謎を解く鍵が散りばめられている













β

最初にエレボスの人生に関わった魔教司教は誰だろうか?

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