4つの光と3つの闇の歴史 8

聖騎士を殺し尽くしてても消えない青年の怒りと憎悪の炎

「オギャー」

「っ!」

そんな炎を消し去るような泣き声が聞こえた。少女の命と引き抱えに生まれた赤子の泣き声だ。

 青年にはこの赤子を守らなければという気持ちが湧いた。クソッたれな自分の人生で唯一残った最後の希望。それを守らなければとそんな固く重い思いが復讐心の代わりに燃え盛った

 

だからこそ青年は気がつくことが出来た

青年の耳に本当に本当に微かな足音が差からか聞こえた。

青年は反射的に避けただからこそ自身と赤子の命の代わりに9本の尻尾全てが切り落とされるだけで済んだ。

青年を襲ったのは今死んだ少女の母親であった。母親は自身を追う聖騎士の後を追って来たのだ

青年は問う「なんで来た!」

母親は返した「大罪を犯した娘を殺しに来た」

青年は再び問う「何を犯したというんだ!」

母親も再び返す「神に逆らったことだと」

それを聞いた瞬間、青年の頭ではとある1人問答が行われた それは


何故は少女を死んだ?

自死だろうか?

いや、死んだ理由は勇者の魔法だ。

では勇者が殺したのか?

いや、勇者は少女を助ける為に魔法を掛けた。なぜ魔法を掛けなければならなかった?

セラフに捕まったからだ。

なぜ捕まった?

少女が虐殺をしたから?

いや、処刑理由は虐殺と奴隷制主導の罪

少女ではなくセラフと母親の主導だ

誰が殺した?

セラフと母親だ


そして再び青年の心に黒い炎が燈る。そして九尾を生やす青年と九尾の狐の母親との死闘が始まった。戦闘は母親の方が年の功もあり終始押していた。青年の攻撃を全ていなし反撃とばかりに超火力の炎や雷を撃ち込んでくる。そしてその青年の尻尾と耳は切り落とされ尻尾由来の力も失ったしまい遂に地面に倒れ伏した。

 しかし青年の黒い炎はまだ消えず最後の力を振り絞って再び立ち上がった。だが到底今の自分では勝ち目は無い。だが正義を騙るセラフの犬に負ける事は死んだ時に少女に顔負けが出来ない。そして正義を騙るという言葉から青年は逆転の手段を思いつく。それは切り落とされた耳と尻尾を対価に悪魔契約を結んで力を得るという方法だ。

 禁断の方法である事は青年も理解したいた。しかし青年にそれに手を出した。そして青年は勝ったと油断している母親の隙を付きとある大悪魔と仮契約を果たした。そしてあまりにあまりにもあっさりと母親を食い殺した。


 青年は赤子を連れて森から去ろうとした。青年には赤子の育て方などわからない。帰る先も食い扶持も何も無い。しかし青年は赤子を守り育てると決めた。そしてそんな青年に悪魔の導きがあった。去ろうとした青年の前に黒髪黒目の男が現れた。青年は警戒した。しかし青年はその男を見たことがあった。その男はセラフで断頭台を破壊した男であった

「君!あの王女様はどこにいるの?!君達を助けたいんだ!」

そして男はそう言った

青年はこの森であった事を全て話した

それを聞いた男は

「っ!!!僕はまた間に合わなかったのか!!」

と絶叫し涙を流した

そして

「君とその赤ちゃんだけでも助けさせてくれ!」

そう青年に手を伸ばした

そして青年は男の手を取った


こうして青年は全てを失いそれでも新たに手に入れた唯一の宝物を守る為に今も戦うのであった

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