4つの光と3つの闇の歴史 7

 絶望に染まる少女は遂にその首を切り落とされることとなった。

そして少女の首を切り落とすギロチンの刃が上がったその瞬間断頭台が消し飛んだ。その理由は黒髪黒目の男が魔法で消し飛ばしたからだ。そしてその男の後ろに居た緑髪の女が同じ断頭台に居た桃髪の女性を助け出したことで断頭台を中心に戦闘が始まった。そしてその隙を突いたように青年が少女を助けに戦場に参入した。青年は邪魔な聖騎士達を全身傷だらけになりながらも殺し道を開くと少女の元に辿り着く。しかしまるで最後の壁のように少女の母親が青年に襲い掛かって来た。傷だらけの青年では絶対に勝つことがかなわない圧倒的な強敵。しかし青年は眼に花の紋章を浮かべた。すると毛の色が黄金に輝きだしたそのまま母親に持っていた槍を刺しそのまま食い殺した。そして少女を救い出すとそのまま用意していた馬に乗り三度森に逃げるのであった。

 森に辿り着いた2人だったが追手の聖騎士がすぐそばまで迫っていた。眼の紋章も消え傷だらけとなった青年では到底相手どれない。しかしせめて少女だけでもと青年は迎撃の準備を始める。しかしそんな青年の後ろから「タイム・アクセラレーション」という少女の呟きが聞こた。そして次の瞬間{グシャッ}という音が少女から発せられた。青年が音に振り向くとそこには腹からおびただしいほどの血を流す少女の姿があった。青年が半狂乱で駆け寄ると少女は「この子を」と1人の赤子を渡した。青年は驚愕と困惑をすると少女は「勇者さんが固有魔法で私のなかに居たこの子を外に出せるまで一瞬で成長するよう魔法を掛けておいてくれたんです。それで今それを起動したんです」と。少女が腹から大量出血をした理由とは処刑前夜に勇者が提案した少女の命と引き換えに少女の胎に宿った子供に生を与える魔法であり、使った少女の腹は急激に赤子の成長に対応できるわけもなく内部から破れるように赤子が出てきたからであった。

 少女は赤子を青年に渡すと「私達の子をお願いします」と告げた。そしてさらに「これから来る聖騎士を倒してそのまま逃げ切るために、、、私の亡骸を食べてください」というあまりにも青年にとって酷なことを告げた。青年がそんなことできないと口から声を出そうとした瞬間少女はキスをしてそれを阻止しそのまま命を落とした

 青年は大粒の涙を流し、苦しさのあまり握る手は爪が激しく食い込み血が流れる。そんな苦しみの中、少女の遺した赤子を守るために青年は少女を食らった。そしてその絶望感と怒りから少女と同じ九尾の尾を生やした。違ったのは少女がまるで自分と同じ純白の毛色に変わったのに対して青年は少女と同じ黄金の経路に変わったことであった。

 

そして青年は追手の聖騎士を全て殺した。 

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