作戦

「ひとまず最低限、、、というか一定の信頼は築けたと思う」

「よかった!それで、これからどうやって動く?」

関係が築けた2人はこれからについての話を始める

「ユグドラシルまで行くっていうのは決定として侵入するには一つ問題がある」

「ああ。対魔術結界に付随した侵入者検知魔法で一発でバレる」

「そうだな、、、対魔術に付随してたのか。女王は化け物だな」

「あの人より魔法が使える人間はこの世に存在しない。アリス様含めてな」

ベルゼは恐怖と尊敬を感じさせる目でそう言う

「へー」

(ハジメの方がやばいんじゃねぇかな、、、どうなんだろう?)

「それでだ。先にお前、、、メルトはどうやって侵入する予定だったんだ?」

エレボスがそうメルトに聞くと

「ユグドラシルの術式は感知だ、追跡じゃ無い。バレるの覚悟で突っ込むってのが俺の作戦だな」

メルトはそう答えた

「すっごい脳筋」

「でも確実だ。突破さえできれば俺の勝ちだ。対魔術術式がある限り少なくても魔教司教は公には動けない。一応大罪司教の俺ならかなりの割合で対魔術を突破出来るから聖騎士達もどうにかなる。女王が出てきたら終わりにも思えるが街を破壊されるのは嫌だろうから俺が何かしなければ何もしてこないだろ」

「なるほどな」

(脳筋に見えて結構考えられてるな、、、伊達に大罪司教の椅子に座ってないな)

エレボスはそう感心する

「エレボスの作戦は?」

続いてメルトがエレボスに作戦を聞く

「俺の闇魔法を駆使してギルドに忍び込んでユグドラシルへの通行許可を偽造してそのまま正規ルートで騒ぎなさないように入る予定だったな。そして同じ方法で女王様にも会いに行く」

「めちゃめちゃしっかりとしてるな」

作戦を聞いたメルトはそう返した

「これの良い点は俺はこの都市ハイドへも正規の方法で来た。つまりこの都市にいるという印象があるから撹乱になる」

「冴えてるな!」

「ベリアルって転移してもうアリスに会ってるか?」

「いや!あの転移は関係ない生物は自身の体の一部にしない限りは跳べない。俺とお前、、、俺も呼ぶか、俺とエレボスへ断罪を使ってるとしたら寝ず食わずで走って1週間は掛かるはずだ」

「かなり余裕があるのか」

(これなら安全に行ける)

エレボスは7日という大きな時間の余裕に笑みを浮かべる 

しかし

「レヴィさん。つまり嫉妬の大罪司教の居るユグドラシル」

「は?」

「ベリアルが向かった先はそっちだ」

「え?ユグドラシルに嫉妬の大罪司教が?!」

エレボスは驚愕する

「ああ」

「え?エモクロアとアーデン魔国及び教団は繋がってないんだよな?」

「ああ。繋がって無い」

「な、ならなんで?!」

エレボスがそう問い質す

「、、、エモクロアとアーデン魔国及び教団は繋がってない。それだけしか俺は言えない」

メルトはそう返した

「っ!!」

(エモクロアとアーデン魔国及び教団は繋がってない、、、エモクロアとは繋がっていない?)

「まさか、、、忍び込んでるのか?」

そう呟いたエレボスをメルトは少しの関心と多くの憐憫の感情を持った目を向けていた

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