流れ
「す、凄いな」
体の傷を全て治されたベルゼはそう言葉を漏らした
「ん?治療がか?それともあの幻術と精神干渉のことか?」
エレボスがそう聞き返す
「両方だ。まず俺の全身大量出血と折れ曲がった腕を一回の治療魔法で完治とは行かなくても日常生活を送る程度なら問題ないレベルまで回復させるなんてな」
「ベルの権能の一つ、怠惰ノ王には俺の固有魔法を遥かに回復効果があるから解呪以外使うことがないと思ってたが案外使うものだな」
エレボスはそう笑いながら言う
「おかげで助かった。そしてあの光景だよな」
そう言うベルゼの目線の先には
誰もいない業火の檻で1人で居もしない敵と戦っているベリアルの姿があった
「あれどう言う仕組みだ?」
ベルゼが不思議そうに聞くと
「ベルゼがベリアルに意識を刈り取られる前に影伝いでベリアルに俺と戦っているという幻覚を見せたんだ。あの時はベルゼにかなりの集中が向いていたから気づかれずに済んだ。ただ流石にそれだけだとバレるだろうから精神に干渉して思考を誘導させたんだ」
エレボスはそう答えた
「精神干渉なんてベリアルにやってよくバレなかったな」
「事象の流れに沿っての干渉だからな。違和感が無ければバレないバレない。それよりも宿に入ってお互いの状況とかの整理をしようぜ」
そう言ってエレボスは進む
「やっぱり凄いなお前」
ベルゼはそれを追うのであった
宿の一室
「それで?悪魔教団を裏切ったってどうゆうことだ?」
エレボスがそう聞く
「俺が悪魔教団に入った理由は怠惰教会で教えたよな?」
「ああ。妹が聖騎士に殺されてそれの復讐のためだったよな?」
「ああ」
「簡単に言うと俺が復讐の延長線でやろうとしてるアリス様が禁じてる世界を混沌とさせる行為に引っかかりかねない上にセラフと悪魔教団の全面戦争になりかねないんだよ」
ベルゼは苦笑いしてそう説明する
「なるほどな、、、それで俺がエテルと合流するまで守ってくれる代わりに俺はお前をサポートするって話だよな?」
「ああ。自動回復があると言っても限界がある。ヒーラーがいるといないじゃ話が変わるらな」
エレボスの問いにベルゼはそう返す
「ならこれからのお前の目的はなんなんだ?」
「、、、何故それをするかは説明できない」
ベルゼはそう前置きを置く
そして
「まず俺達はユグドラシルに向かう。あそこは女王フレイヤが精霊の力を借りて自身の許可がない人間の悪魔・魔法・神聖・精霊の力を阻害する術式を張ってるからベリアル達の悪魔教団側の追っ手は無力化できる」
そうまず切り出した
「マジかよ」
(悪魔術式も魔法も神聖術式も精霊術式も全部阻害できる術式が首都一帯に張られてるって、、、母さんの師匠ヤバすぎるだろ)
エレボスはフレイヤのヤバさに唖然とする
「ひとまずユグドラシルに行くのはわかった。それでその後は?」
驚愕の心からどうにか冷静な思考に戻したエレボスはそう聞く
「ユグドラシルで追っ手から逃げ隠れする。お前はエテルと合流するまで、そして俺は時が来るまでな」
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