エレボスとベリアル 

(大罪司教と手を組めだと?!)

エレボスの顔が苦渋に染まる

(ベルゼの言っていることは正論だ。でも、こいつと組むとか危なすぎるだろ!狼から逃げる為に熊と組むみたいな話だぞ?!)

エレボスは深く深く悩む

そして

「まさかエレボス君に手を借りようとするとは、、、ここまで酷いとはな」

銀髪の女性、、、

悪魔教団教祖兼アーデン魔国国王アリス・ツクヨミの唯一の直属である王司教ベリアルがベルゼの背後に立っていた

「ひっ!」

ベルゼは恐怖のあまり悲鳴を漏らす

「えっと?ベリアルさんですよね。こいつ渡すので俺は見逃してくれませんか?」

そんなベルゼを横目にエレボスはベリアルにそう言った

「エレボス?!」

ベルゼが絶望の眼差しを向けてくるがそんなことエレボスの知ったことではない

「エレボス君は物分かりが良くて助かるよ」

ベリアルは低音でクールな声でそうエレボスに言う

「最低でも王司教クラス。下手したら下位の大罪司教クラスの戦闘力持ってる相手に逆らおうとするほど馬鹿じゃないですよ。しかも今の俺はベルとの契約も完全に切れてる。総裁司教ですら勝てない」

エレボスはそう冷や汗をかいて言葉を返す

「判断能力が高いわね、、、アリス様も気にいるわけね。僕も気に入ったよ」

ベリアルは嬉しそうにそう言う

そして

ドカン!!!

「がぁ!!」

「これは貰っていくよ」

ベルゼの意識を刈り取りそのまま肩に担いだ

「じゃー、エレボス君。行こうか」

そしてエレボスに右手を伸ばした

「え?」

「一緒に行こうか」

「は?」

エレボスは絶句する

「ベルゼを渡したでしょ!俺は見逃してくれよ!」

エレボスが叫ぶようにそう言うと

「別にエレボス君が渡さなくても僕の力だけで奪えたし、、、弱体化状態のエレボス君を捕まえない理由はないよ」

ベリアルはそう返した

「っ!」

ビュン

エレボスは逃走の選択をした

だが

「流すとでも?ヘル・ケージ」

パチン

ベリアルが指を鳴らすと

ドカン!!

「なっ!」

エレボスとベリアルを囲むように煉獄の檻が現れた

「逃がさないよ」

驚愕するエレボスの背からベリアルのそんな声が聞こえる

「勘弁してくれ!」

エレボスは絶望的な状況に顔を顰める

「それじゃー、エレボス君。君に聞くことすら失礼になるけど降参する気は無いかい?」

ベリアルがそう聞く

「断る!」

もちろんエレボスは拒絶する

「なら、力づくで来てもらうわね」

それを聞いてベリアルは細剣、レイピアを腰から抜いた

「悪魔教団最暗部007隊長兼アリス様唯一の直属ベリアル」

「っ!フレデリカ・エルピスの息子にしてただの旅人、エレボス・エルピス」

2人は名乗りをあげる


始まる前から勝負が決まっている茶番のような戦闘が始まる

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