酒場

「さて町に辿り着いたな」

(町に入るのはきついけど聖騎士達の動きとかを知っておかないと怖すぎる)

アルベルから脱出したエレボスはその日は野宿をしてフレデリカが大教会でパデル達と話している同刻にアンベルから最も近い町に辿り着いていた

「顔を隠して入ったら確実に怪しまれるだろうしもう気合で行くか」

そしてそう言いながら町に入るのであった




ガラガラ

エレボスはとある店に入った

それは

「おい小僧。ここは大人の居場所。酒場だぞ」

酒場であった

(パリ港でもこんな感じだったな)

エレボスは数ヶ月前を思い出す

だが数ヶ月前と違う事は

「おい!?そいつセラフ最強の異端の聖剣の隠し子じゃねえか?!」

「ほんとだ!なんでこんなところに!!」

エレボスの正体が割れていると言う事だ

「ちょっとこの国に用があってな。世界から逃げているんだが情報が無いとな、、、って事で聖騎士・エモクロア兵・悪魔教団の動きが知りたいんだが?」

エレボスがそう言うと

「「、、、」」

全員が固まる

「もちろんタダとは言わないですよ」

そう言うとエレボスは懐から(影から)数十枚の銀貨を取り出す

「どうだ?」

これで少なくとも情報が出る そうエレボスは考えていた

だが

「いや、、、」

「金の問題じゃ、、、」

それでも誰も話そうとしなかった

「え?ど、どうしたんだ?」

その様子にエレボスが困惑していると

「流石にセラフとエモクロアを同時に敵に回す危険性があるのはな、、、」

「ああ。真っ当な冒険者ならいくら金を積まれてもな、、、」

「セラフを敵に回すだけでもやばいってのにエモクロアも同時に敵に回したら信用とか恩恵とかが全部消し飛んで終わる、、、流石にな」

酒場の客は口々にそう言う

「っ!」

(そんなにセラフの力って強いのかよ?!)

エレボスの顔が驚愕に染まる

「その顔はセラフのヤバさを知らなかったみたいだな。その豪胆さから温室育ちとは言わないがまだひな鳥だな。セラフが白と言ったら黒も白なんだよ。基本的にセラフはその権威を悪用はしないが基本的にだ、、、ありうる話なんだよ」

そんなエレボスに1人の犬の獣人がそう話しかけてきた

「そ、そんななのか」

「ああ。エレボスだったよな。お母さんから逃げるのは正直至難の業だぞ。この国に来たってことは女王に助けを求めようとしているのかもしれないが、、、根本は解決しないだろうな」

「どういうことだ?」

エレボスがそう聞くと

「1枚貰うぞ」

獣人の男は1枚銀貨を取った

「ああ」

エレボスは笑みを浮かべて了承する

「女王はこの国の発展を第一に考えている。お前が女王に助けを求めたら女王はそれを出しに異端の聖剣にギリギリ出せる対価を支払わせたうえでお前を引き渡すだろうな」

「マジかよ、、、俺がこの国に来た理由は2つ。1つは女王に助けを求める事。だがそれは無理そうだ。2つめは魔国で別れた仲間を探したい、、、こっちはどうだ?」

「難しいだろうな。合流することがそもそも、、、合流としてもそれが理由で捕まることになる」

「そうか、、、」

(かなりキツイな)

エレボスは顔を顰める

「、、、なぁ?悪魔教団にお前って追われてるのか?」

するとふと獣人が聞いてくる

「ああ」

「どのレベルでだ?見つけ次第殺せなんていうレベルなのか、捕らえろっていう予断があるレベルなのか」

「捕らえろってレベルだな。しかもあちらは俺と仲良くしたいようだ」

エレボスがそう答えると

「、、、手に持っている銀貨の半分をくれ。それで金貨30枚の価値がある話があるんだがどうだ?」

獣人の男はそう切り出した

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