脱獄
(少し喋っただけでエレボス様の凄さが分かる。自身の立場を理解する事は出来てもそれを受け入れる事は難しい。自身の立場を受け入れる事は出来ても理解する事は難しい。両方をこんなあっさりと出来るなんてすごい)
ベッドに寝そべるエレボスを見ながら監視はそう思う
「あの」
するとエレボスが話しかけてきた
「はい?」
「お腹減ったので何か軽食を貰えません?パンと熱いスープだけでいいので」
そして食事をお願いしてきた
「わかりました」
監視は懐から推奨を取り出すと
「あー、牢屋です。エレボス様がお腹減ったので軽食が欲しいそうです」
そう水晶に声を当てた
「あらま、遠隔通話できちゃうのか」
それを見てエレボスがそうぼやく
「油断も隙も無いですね」
監視はそんなエレボスにため息をつくのであった
「どうぞ」
監視は食事を受け渡し口を開けエレボスに渡す
「パンにスープ、、、肉まであるとは有り難いな」
エレボスは食事の内容に笑みを浮かべてそう言う
「ごゆっくり」
エレボスは食事を開始する
(肉を食べれることをありがたいと考えられるとは、、、まだ自身の立場を完全には理解してはいないんですね。まー、十分ですが)
監視はふとそんなことを考える
(そもそも今代のエルピス家の3姉妹は全員信じられないほど善心に満ちているそうですからね、、、似たんですかね)
そしてさらにそんなことを考えていた時だった
「がぁ!!」
「え?!」
エレボスが苦痛の声を上げた
そしてその原因は
「スープを吐いてる?!」
(スープに毒が入ってたのか?!)
スープに入った毒だった
「大丈夫ですか?!」
監視は急いで牢屋の扉を開けようとする
「ん?」
だがふと脳裏に
(これ、、、演技じゃないよな?)
そんな考えが浮かんだ
(毒死する人間を見たことが無いからわからない、、、本当だった場合は五秒でも早く対処しないとまずいけど嘘だった場合は逃げられかねない)
監視は即座に2つのルートを考え
「こちら牢屋!エレボス様に渡したスープに毒が盛られた可能性がある!エレボス様の演技の可能性があるが本当だった場合を考え細心の注意を払って牢屋に入る。至急応援と警戒を!」
水晶を通してそう連絡をする
{りょ、了解!!}
返答を確認すると同時に
ガチャ
牢を開け入ると
ガチャ
直ぐに牢を閉め
「エレボス様」
エレボスに駆け寄りそのまま逃走防止で体を負担にならない程度で押さえつける
「カヒュー。カヒュー」
エレボスの息遣いは荒い
「っ!神の癒しよ!」
監視は神聖魔法をエレボスに掛ける すると
「ふー、ふー」
息遣いが正常に戻ってきた
「よ、よかった」
監視は安心した
その瞬間
バシャン
「っ!」
スープが監視の顔に掛けられ視界が数瞬潰された
同時に
「
エレボスがそう呟いた
そして
「え?」
そして次の瞬間エレボスを押さえつけていた感触が消え
「居ない?!!」
エレボスの姿が消えていた
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