支部長と大司教

「わ、私がここのギルド支部長ですが、、、え?ご本人ですか?」

蠱惑的なエルフの女性がそう話しかけてきた

「はい。エルピス・フレデリカの息子のエレボス・エルピスです。血は繋がっていませんがれっきとした息子です。それを証明できる証拠はありませんが、、、強いて言えば剣技でもお見せしましょうか?母の先生であるフレイヤ女王陛下と同じ流派でもありますからそれで分かるかと」

支部長にエレボスはそう言う

「い、いえ。顔がそっくりですし、、、なによりアーデン魔国から来たなんていうぶっ飛んだ嘘が出るとは思えません。フレデリカ様が最後にエレボス様を見た時魔国の方角に向かって行ったと情報が出回っていましたから」

「それは話が早くて助かります。それで連れと魔国から逃げる際にではぐれてしまって合流したいのですがお互い場所もわからず、、、世界中の人気者な自分が探しに行ったら命も体もいくつあっても足りませんから」

「そ、そうでしょうね。今のエレボスさんがまともに歩けるのはヤマト皇国だけでしょうね、、、えっと、ひとまずはユグドラシルまで行きたいんですよね?でしたら地図をお渡ししますので少しお待ちください」

そう言うと支部長はカウンターの奥へ向かって行った

「ヤマトか。一応エモクロアから西に向かえばヤマトに行けるらしいけどとんでもない距離ととんでもないモンスターがうようよいるらしいから通り抜けるのは不可能だって母さんが言ってたな

(ベルの力があれば通り抜けれるのかな?)

待っている間のそう考えていると

ガチャン

「エレボス様がいらっしゃるとは本当か?!!」

白い礼服に身を包んだ一団が勢いよく扉を開けてそう声を上げて出てきた

「ん?あの服装、、、なるほど。あれが神聖教会の礼服なのか」

(エクレアの家で1回だけ見たことがあったな)

そんなことを考えながらエレボスは一団を見る そんな目線に気がついたのか

「おー!!エレボス様」

一団の長がエレボスに近づいて来た

「えっと?初めまして。名乗る必要が絶対にないでしょうけど一応。エレボス・エルピスです」

「これはこれは。フレデリカ様とは血は繋がっていないと言うのに礼儀正しいのはそっくりだ。私はパデル・ヘカーティア。このアルベルの街で大司教を任された者です」

初老とまでいかない歳の男性がそう話しかけて来た

「それで何故ここに?エレボス様のお立場を考えたらこのような場所で騒ぎを起こすのは得策ではないかと思いますが?」

後ろに控える他の神聖教会の司祭や騎士も不思議そうにエレボスを見つめる

「ああ。先ほどここの皆さんにも話したのですがアーデン魔国を訪れたところ魔国の首都で悪魔教団の司教と大罪司教の全員から襲われてどうにか逃げてエモクロアに。なのでパデルさんの挨拶でやっと今ここがアルベルという街だと言うことが分かりました」

そんな中エレボスはそう自身の状況を説明した

「、、、え?」

そして絶句する

「嘘だろ、、、」

「なんで生きてるの?」

後ろの司祭や騎士も困惑と驚愕を隠せない

「自分も我ながらよく生きて帰って来れたなと驚いています」

「そうでしょうね」

ひとまずお互いの挨拶の状況の確認が終わった

そして次の瞬間から

ガキン!!

「っ?!」

「だろうな」

1人の騎士とエレボスの刃がぶつかった

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