メルヘンな協力者

アーデン魔国のとある一室

「よっと」

影から出てきたエレボスは周囲を見渡す

「凄い量の芸術品だな」

部屋には絵画や彫刻、壺などが並べられていた

「凄いな」

エレボスが感嘆の声を漏らしていると

「気に入ってくれてよかった」

すると部屋の椅子に座っていた人間が話しかける

「ひとまず助かりましたよ、、、って?!」

エレボスは人間を見て絶句した

「僕の趣味だよ。かわいいだろ?」

そう言う人間はメルヘンな服に身を包んでいた

「そ、そうか、、、というか1人称は僕なんだな」

「うん」

人間はかわいらしく返事する

「それで?なんで俺を助けてくれたんだ?エテルの脱出まで手助けしてくれるなんてどんな理由で?」

エレボスがそう聞くと

「エレボス君を助けた理由とエテルを助けた理由は別の理由だよ」

人間はそう答え

「まず君を助けた理由だが、、、君転生者だろ?」

そう切り込んできた

「ああ、、、よく分かったな」

「君の使ってる技や価値観が転生者っぽかったからね」

人間はそう言う

「それで?それがなんなんだ?」

「先に目的を簡単に言うと君の手でアリスお姉ちゃんを止めて欲しんだ」

「アリスを止めて欲しい、、、どういうことだ?」

エレボスは困惑する

「アリスお姉ちゃんの目的は世界を征服して自身が世界を導いて平和にすることが目的ってことは聞いたよね」

「ああ」

「そこは僕も賛成してるの。でもそれはアリスお姉ちゃんの目的じゃなくて悪魔教団教祖としての目的。お姉ちゃん本人の目的は封印を解くことなんだよ」

人間はそう言った

「封印?」

「うん。アリスお姉ちゃんは何でもできるけど、時間支配・魂支配・記憶支配の3つだけは封印されて使えないんだよ」

「なるほどな」

「もし、、、封印が解かれたらアリスお姉ちゃんは力に飲まれちゃう。誰も逆らえない力を得て今の優しいお姉ちゃんのまま居られるほどお姉ちゃんは強くない」

人間は悲しそうにそう言う

「なるほどな、、、でも止めるってどうやって?」

エレボスが聞くと

「秘密」

人間はそう答えた

「は?!」

「教えたら君も墜ちちゃう」

「墜ちる?」

「例えばさ、、、なんて言われたらどうする?」

「っ!!」

エレボスの顔がこわばる

「死者蘇生なんて絶対に無理だけどね。でもそんな人間には降り余るような力や夢、悪意が存在する。君がそれに耐えれるかをこれから僕は試していく。いわば試練だね。今回は始まりの試練。試練達成報酬はベルちゃんとの本契約とエテルちゃんを逃がしたこと、、、あと僕が魔法や剣を教えてあげることかな」

人間はそう言う

「、、、なるほど。仮にすべての試練を突破してお前、、、えっと」

「あー、そう言えば名乗ってなかったね。名前は大切なものだから名乗るよ」

人間はそう言うと息を整え

「僕の名前はハジメ・ツクヨミ。ヤマトを作ったいわばヤマト皇国の初代皇帝だよ」

ハジメはそう名乗った

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