ベルフェゴールの原初たる所以

「は?」

(な、なんだこの悪夢よりも地獄よりもひどい光景は)

教祖と全大罪司教が揃うというあまりにも絶望的な状況にエレボスは絶句する

「ふふ。エレボス君がやった悪魔の関係を利用した転移。仕組みはほとんど同じ要領で全員呼んでみたの」

そんなエレボスにアリスはそう笑って言う

「っ!!」

エレボスの顔に絶望と焦りが映る

だが

{、、、安心しなさい。逃げれるわ、、、教祖と全大罪司教が揃ったところで本契約した私の自動回避ならね}

ベルがそう言う

{マジで?!ベル様すごーい!}

{賛辞は後で受け取るわ。衝撃に備えなさい}

{ああ}

エレボスの目に光が灯る

「「っ!」」

それを悪魔教団側の全員も気が付く

「なんか策があるっぽいですね。先生」

「そうね」

マモとサタがそう言うと

「どうしますか?ここは逃がした時点で確実に問題を引き起こしかねないエテルちゃんを優先的に捕縛しますか?」

レヴィがアリスにそう問う

「いや!完全な大罪契約をしているエレボスを見捨てるのは危険すぎますよ」

それにベルゼがそう口をはさむ

「い、いや!エテルちゃんの方が絶対ヤバい!でも、、、エレボス君を見逃すのもヤバすぎる」

さらにそれにアスモが反論する

「なに弱気になっているのよ。2人ともよ!エレボス君はもちろん、、、アスモちゃんをいじめてくれたエテルちゃんも流石に少しお灸をすえなくちゃね」

そんな3人にアリスはそう言うと

絶対支配アブソリュート・ドミニオン

そう唱えた

「っ!?」

「「っ!」」

その言葉にエレボスは困惑を、大罪司教は驚愕をする

「権能無効」

そして矢継ぎ早にそう言った

「まさか、、、」

その言葉にアリスが何をしたのかを察したエレボスは顔を青くする

{うわぁ、、、ガチガチに支配を使ってきたわね。アリスの支配は範囲や効力、支配する数によって効力の強弱が変わる。今回は効力が中々強いけどそれだけだし範囲もこの空間だけ。これは大罪司教でも権能を使うのは無理そうね。ベルフェなら問題ないでしょうけど}

{嘘だろ、、、じゃー、ベルの力を借りることは出来ないってことか?!}

ベルの言葉にエレボスは絶望を隠せない だが

{3年半}

{え?}

{3年半あなたのお母さんと叔母のせいで同じ状況に追い込まれたのよ?怠惰というのは必要ない時には極限まで怠惰だけど、、、必要な時は全力を出す。安心しなさい。私の怠惰を邪魔することは誰にもできない}

ベルはそうはっきりと言った

{ベル、、、どうするんだ?}

エレボスがベルにそう問うと

{こう唱えなさい}

「{アンチワーク}」

そう唱えた瞬間

ビュン ビュン ビュン

「「なっ!」」

暴風が当たりに吹き荒れる

「エレボス本人にもこんな魔力が?!」

「そんなわけあるか!俺だってこんなバカみたいな魔力だせねぇ!」

その風にベルゼとレヴィがそう言いあう

「この風、、、ベルフェゴール様の権能以外はありえないでしょ!」

「エレボスにこんな力制御できるわけありません」

そしてサタとマモがそう言う

「支配を解除した、、、アリス様の支配を解除した?そんなことがあんな少年に?!」

「それしかないわね、、、っ!全員全力でエレボスを倒せ!殺す気で行っていいわ。死にはしないはずよ」

「「了解!!」」

{おいおい。大丈夫かこれ?}

大罪司教達の殺気にエレボスは顔を引きつらせる

{安心しなさい、、、こんな共に後れを取るほどこのベルフェゴール様は弱くないわよ}

そんなエレボスにベルはそう言う

{す、すごい}

そんなベルにエレボスは尊敬と畏怖を覚える

そして

{行くわよ!}

{ああ!}

撤退しようと構えた その瞬間

「エテルを見捨てるのか?」

そんなベルフェの声が響いた

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