予言
「あの子?」
「大罪司教の誰かよ。みんなと仲良くなって聞き出しなさい」
アリスは笑みを浮かべてそう言う
「さて、、、 今のを質問とみなして最後の私からの質問よ」
そして
「セラフ神聖国の予言って知ってる?」
そう切り出した
「予言?なんだそれ?」
エレボスがそう言うと
「30年前に今代の教祖が見た予言でね。内容は
この世界が悪魔の脅威に晒される時、2人の英雄がそれを迎え撃ち滅ぼす。
[異端の後継者]
その者は[異端の聖剣]の後継者になる者。その者は力は全てを凍らせる力を持ち、その者は策略に長けており新たな世界を築くであろう
[魔愛の勇者]
その者は古から続く愛によってこの世に生まれた勇者。しかしその者は愛を知らない。だが旅をし、愛を知った時その光は悪魔や闇を照らすであろう
魔愛の勇者には人の仲間が居る
1人目は極東の侍。その者は勇者達を支える大樹となるであろう
2人目は怠惰の巫女。その者は勇者達の知らない世界を照らす月の光になるであろう
3人目は厄災の魔王。その者は勇者達を襲う悪魔を滅する最強の魔女となるであろう
4人目は救国の女神。その者は勇者達の道を切り開く聖女となるであろう
5人目は王道の少女。その者は勇者達の傷を癒し王となるであろう
っていう内容よ」
「異端の聖剣って母さんの二つ名だな」
予言の内容に身内が出てきたことにエレボスは気が付く
「そうね。ちなみに異端の後継者の正体はもう99%わかってるのよ」
「え?!」
「異端の後継者、、、その名前はエクレア・ヘルメスよ」
「なっ?!!」
エレボスは驚愕した 半分幼馴染である少女の名前が出てきたのだ
「さて?居場所が分かっているんだから私達はエクレアを始末したいわけだけど、、、エレボス君がこちらに来てくれるというなら見逃してあげても良いわよ?」
アリスは脅しを掛けてきた
「クソ!!」
(逃げたらエクレアを見殺しにすることになる、、、待て!)
「か、母さんが護衛してるだろ!」
自身が信じる母が幼馴染を守ってるという自信からそう言った
だが
「あんな子娘程度に私が負けるとでも?」
アリスはそう返した」
「っ!」
唯一の期待も裏切られエレボスの顔は絶望に染まる
「選びなさい。自分か幼馴染か」
アリスは絶望の2択を迫る
(エクレアを見捨てれない)
エレボスは自身の保身を即座に捨ててアリスに敗北を認めようと口を開く
その瞬間
{なんてな。お前はエクレアを殺せない。殺すメリットが俺から本気で嫌われるデメリットに見合ってない、、、そう言え}
「っ!」
脳裏に声が響く
「なんてな。お前はエクレアを殺せない。殺すメリットが俺から本気で嫌われるデメリットに見合ってない」
そしてそのままはっきりと笑みを浮かべてそう言った
「、、、そう思う根拠は?」
「{予言についてお前らはほとんど眼中にない。エクレアも勇者も母さんもお前らは蹴散らせるんだろ?ヤマトですでに知ってるよ}」
「ヤマトで?!そうか、、、鎖国状態だったから焚書されなかった何かしらの文献が」
エレボスの言葉にアリスは一転顔色を青くする
「やっぱり魔愛の勇者っていうのは厄介ね」
そしてそう呟いたのであった
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