怠惰と勤勉の悪魔

「貴女も良い子を見つけたわね」

エレボス達が消えた後、ベルはそうアスタロトへ言う

「あの子は本当に凄いですよ」

「そうね。でも、あの子の過去が悲惨なものだからといって過度に力を渡してはダメよ。貴女は優しいからね。その人の代償や経験値を大きく超える力を渡すことは禁忌よ」

そしてベルはアスタロトにそう忠言を掛ける

しかし

「いや、あの子自身は別に今までの人生を悲惨とは全く思ってませんよ。むしろ悪魔様へ身を捧げたと喜んでいますね」

アスタロトはエテルをそう説明して返答した

「へー。そうなると?あの子は」

「あの子に色欲は無い。あるのは信仰心だけですよ」

ベルの質問にアスタロトがそう返すと

「一番ヤバいタイプね。正直、外に出てもあの子が生きていけるとは思えないのだけど?

ベルはそう言って苦い顔をする

「エレボスは結構いろいろな人間に会わせれるけどエテルちゃんみたいな子はエレボスじゃ救えないし手綱も握れない、、、色欲に堕ちてるならどうにかできるように私が体を使って教えてあげてもいいけど」

「あら。体を許すほど気に入っていて?」

アストロトとがそう聞くと

「悪くは無いわね。良玉ね。下も結構大きいし」

「そうなんですね。ま、エテルの未来が良いものになることを願います」

「私もベルの未来が良いものになることを願うわ」

「ベルフェゴール様の願いとか絶対ヤバいでしょうね。エレボス様にどうなって欲しいのですか?」

アスタロトがそう聞くと

「う~ん。私を楽しませてくれればいいわ。セラフ神聖国を潰したり、アーデン魔国を潰した、、、りされるのは流石にいやね。流石に心が痛むわね。まー、それぐらい歴史を動かしてくれればいいわ」

ベルはそう言った

「エレボス君は確実に歴史を変える存在になるでしょうね。既にヤマトは変えましたし、、、サフラン王国の問題も解決してしまったりして」

アスタロトが少しおかしそうにそう言うと

「今の状態のエレボスが関わったら最悪なことになるわよ。良くて悪魔教団の戦力が他の4大国を上回るうえに下手すればヤマトもエレボスに力を貸すという名目で加勢される。そして最悪なのはあの子一人で新たな勢力を作ってしまうこと、、、世界がひっくり返るわ」

ベルフェゴールはそう重く返す

「悪魔はそう言うのが見たいのでは?」

「私は結構穏健な悪魔なのよ?契約者様が望むのであれば力を貸すけどできる限り避けたいわよ」

アスタロトの問いにベルフェゴールはそう返した

「なるほどです。でも、私はそんな事態もおもしろそうですけどね」

そんな雑談に花を咲かしていた2人だが

「はー。そう言えばなんでエテルちゃん私がベルと契約していることを知っていたの?」

ふとベルフェゴールがそう目を細めて聞く

「契約者が他の契約者の情報や悪魔の詳しい情報を伝えるのは禁忌の一つよ?」

そしてさらにそう聞く

それにアスタロトは

「ああ。話してませんでしたね」

笑みを浮かべる そして

「ベルフェゴール様と私が話しているのをエテルに聞かせたんですよ」

そう答えた

「、、、アスタロトもやっぱり悪魔ね」

その回答にベルは乾いた笑いでそう感想を漏らす

「それもベルフェゴール様の一の配下の悪魔です」

「怖~。まー、お互い契約者がどんな歩みをするかを見ましょうか」

「はい」

そうして2人はお互いの契約者を見守るのであった

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