エテルの過去

「ふー。疲れた」

掃除を終えたエレボスはそう息を吐く

(体力的には大丈夫なんだがここまで大規模に掃除したことなかったから精神的に疲れたな)

「まっ、この後はおいしいご飯があるしそこで回復しましょうかね」

そう言いながら掃除用具を片付けていると

{あの王司教は帰ったのかしら?}

ベルがそう言ってきた

{さすがにもう5時間は経つぞ?流石に帰ってるだろ?}

{それもそうね}

「さ!戻るか」

そうしてエレボスは教会内へ戻る

するとすぐに

「ん?ベルボス君」

年長の司教と出会った

「あ、お疲れ様です」

エレボスがそう言うと

「ベルボス君もお疲れ様、、、おー!綺麗になったな」

司教は窓から外を見てそう感嘆の声を上げる

「エテルも外まではあまり手が回っていなかったからな。ベルボス君が来てくれて本当に助かるよ」

そしてエレボスにそう言う

「あの?」

それにエレボスは少し疑問を持つ

「ん?」

「この教会の内部の運営は全部エテルさんだけがやってるんですか?」

そしてそう聞く すると

「ああ。エテル一人でだな。前はお金の管理とかはガープ様がやっていたんだが、、、あの人その辺ガバガバだったからな。今はエテルがそれもやってる」

司教はそう答えた

「なるほど、、、その、まだ数日しかいないが気が言うのもどうかとは思うのですが流石にエテルさんだけは酷くないですか?」

それにエレボスがそう言うと

「え?あー、大丈夫だよ。エテルはむしろ働かないと精神を病むタイプだからな」

司教はそう答えた そして

「エテルの過去は知っていますか?」

そう聞いてきた

「えっと、過去に大変なことがあって今はここで暮らしていると朝言われたこと以外は何も」

「うん。隠すことではないですし話しましょう」

そう言うと司教は語りだした

「エテルは元々エーテル王国のバランという南にある大都市のスラムに捨てられたんです。ただ幸運か不幸かその捨てられた場所が当時、怠惰の大罪司教ベルフェが拠点を置いていた場所でした。ベルフェはエテルの素質を見抜きそのまま自身の拠点でエテルを怠惰の魔王・ベルフェゴール様を祭る巫女としての教育を行ったのです。そして彼女そこで固有魔法を取得したり勉学においても優秀な成績を残すなど成長していまいした。それこそ総本山で爵位持ちの司教となることもできたでしょう。しかしベルフェは頑なにそれを認めませんでした。それについて皆何故と思っていましたがそれはエテルが11歳の誕生日を迎えた時に判明しました。憤怒の大罪司教であるサタ様がベルフェが拠点に居なかったときにバランに用があったらしくそのついでに内緒で誕生日を祝うと同時に自身の配下にしようとしていたのです。そして拠点を訪れた時にサタ様は見たんです。エテルが拠点の男女関係なく全人間に犯されている光景を。サタ様はすぐにその場に居たエテル以外の全員を業火で灰にしました。そしてそのままエテルの体を洗ったり治療したりなど最低限のことを行った後、総本山へ向かいこのことを教祖様に告げたのです。その場にベルフェも居て、ベルフェは反省することも無く自身が許可したと言ったそうです。エテルを拾った時から拠点で良いように使うためだとも。結果、ベルフェはアリス様の聞き取りを受けた結果、大罪司教の座はそのままでしたが他全ての役職を剥奪され今は教祖様直属の部下という扱いだそうです。それでエテルですが、総本山で暮らしてもらうという案も出ましたがサタ様がこの教会でゆっくり暮らして傷を癒してもらってからの方が良いと。体の傷は全て消すことができ後遺症や病気なども無かったのですが精神的なものは、、、それでエテルはその時の記憶を封じられてこの教会に来たということです。しかし自身の存在意義を尽くすことと頭に刷り込まれているので今は好きに働かせているということです」

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