悪魔教団の動き

「お久しぶりです。ガープ司教」

女性はそう言った

「こちらこそお久しぶりです。プルソン司教」

ガープは女性の名前を呼ぶ

「え、、、ええ」

するとプルソンは大きく動揺した

「ん?どうされましたか?」

ガープがそう聞くと

「い、いえ。ガープ司教が随分と大罪教会の長らしくなっていたので驚いただけです」

プルソンは動揺を押し殺してそう返した

「人間半年もあれば変わりますよ。では応接間へご案内しますね」

そう言うとガープはプルソンを教会内へ案内する






怠惰教会・応接間

「それで?今回はどのようなご用件でここに?」

ガープがそう聞くと

「ヤマトでエレボスが現れました」

プルソンはそう切り出した

「ああ。確か、エレボスがヤマトでワァラク司教を殺害したという話ですか」

「っ!何故それを!」

プルソンはガープがそのことを知っていることに驚愕した

「数日前にヤマトから来た少年から聞いたんですよ」

「なるほど」

(ヤマトから少年、、、いや、そんなことがあるわけないか)

プルソンは一瞬頭に浮かんだをありえないと否定する

「ではエレボスの家名についてもすでにご存じですか?」

次にそう聞く

「エレボスの家名、、、いえ。それはまだ知りませんね」

ガープは知らないので素直にそう返した

「エレボスの家名は、エルピスです」

そしてプルソンはそう答えた

「エルピス?!それって」

「ええ。忌まわしきセラフ神聖国の名家。聖騎士団長や異端の聖剣の家系です」

「、、、」

ガープは絶句する

「しかもよりにもよって異端の聖剣の息子だそうです」

「はぁ?!」

ガープは唖然とした

「おい、、、それってかなりまずくないですか?」

「まずいなんてもんじゃないですよ。最悪です。異端の聖剣の息子、、、あんな化け物が次世代に継承されるなんて」

プルソンも顔を大きく顰める

しかし

「ただ」

プルソンは顔を軽くすると

「良いのか悪いのかエレボスには闇魔法の適性者らしい問題を背負っています」

そう言う

「問題?」

「エレボスは我々悪魔教団から追われると同時に異端の聖剣にも追われているんです」

「え?」

プルソンの言葉にガープは困惑する

「なんで追われてるんです?母親でしょうに?」

「それが、エレボスは聖剣から逃げているみたいで。これは確実かどうかはわからないそうですが聖剣もエレボスに闇魔法の適性があることと、悪魔契約をしていることを知っている可能性が高いと。それが下手に漏れればエレボスは全世界から命を狙われ、流石の聖剣と言えども庇える保証はない。その前に保護したいのだろうというのがアリス様のお考えです」

ガープの疑問にプルソンはそう答えた

「なるほど」

(闇適正あるからといってこちら側に来る保証が完全に無くなったな)

ガープは状況を理解する

「そしてアリス様のご命令でなんとしてでも捕縛するということには変わりありませんが本当に最悪の場合は殺害も許可するとのことです」

「なるほど、、、一応の殺害許可になったか」

プルソンの言葉にガープは息を飲む

「それと次の半誕教祭までに進展がなかった場合はセラフ神聖国との全面戦争覚悟で大々的にエレボスの身柄を狙わせます」

「世界中の信者が眼となるわけか、、、それはキツイな」

「ええ。しかしそうなれば時代が変わることになるでしょう」

「そうなるでしょうね」

2人の間に重い空気が走る

そして

コンコン

それを打ち砕いたのは

「ガープ様、お飲み物お持ちいたしました」

エテルの声であった

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