食堂での会話

「美味しい」

少年は野菜の肉巻きを一口食べてそう呟く

(フレデリカ並に美味いな)

「お口に合って良かったです」

エテルは嬉しそうにそう言う

「掃除も行き届いていて綺麗な教会ですね。ここまで綺麗なのは貴族の屋敷でも珍しいですよ」

少年は周囲を見渡してそう言う

「ところでお客人」

するとガープが少年に声を掛ける

「はい、どうされましたか?」

「その、責める気は一切ないのですが、、、何故食事の際も口は出していても顔はお面で隠していらっしゃるのですか?」

ガープはそう聞く

「あー、これは家の掟で。顔を人前に晒す事は私の家系では禁じられて居るのです」

それに少年はそう答える

「なるほど」

(なるほどね)

それにガープと話を聞いていたエテルは納得する

「すいません。ご理解いただけると幸いです」

「大丈夫ですの。そのような教えを守る大切さは我々も十分承知していますから」

少年の謝罪にガープは笑みを浮かべてそう返す

「ご理解感謝します」

「ところでその刀や鬼の仮面からしてヤマトからいらっしゃったのですか?」

ガープがそう聞くと

「はい。ヤマトのサンモンジ領になる小さな山奥の村から」

少年はそう答えた

「なるほど。ヤマトというとワァラク司教が3年前から教えを広めていましたね。上からの評価も非常に高くヤマトに完全に広めることができた暁にはより上位の悪魔様との契約を与えるなどという話も出ていましたね」

ガープはヤマトという地名からそのような事を話す そして

「お客人はワァラク司教とお会いしたことは?」

ガープは少年にそう聞く

「、、、ありますね。あの方は凄い人だった。本当に」

少年はほんの少しだが言葉を振るわせた

「そうですね。ワァラク司教は今どうされてますか?」

ガープがそう聞くと

「、、、」

少年は口を紡ぐ

「ん?何かあったのですか?」

それを見てガープは何かあったのではと察する

「その、、、ワァラク司教は死亡しました」

そして少年は言った

「「っ!」」

その言葉に食堂に居たガープとエテルは息を飲む

「し、死んだ?!な、何故ですか?」

「殺されたんです」

ガープの言葉に少年はそう答える

「殺されたって誰に?!彼は総裁司教でしたがその強さは伯爵司教にも劣らない。いくらヤマトの侍が強いと言っても、、、殺されるなんて」

ガープはそう困惑する 

「エレボス、、、そいつによって殺されたんですよ」

少年はそう言った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る