カエデの旅立ち
「それでは行った参ります。お母様、お父様、みんな」
処刑から数日が経ちカエデは港に居た
「気をつけろよ。仮にもこの国のお姫様。エーテル王国では公爵にあたる家柄の長女なんだ」
イブキはそう心配の声を送る
「楽しんできなさい!世界は広く刺激的よ!」
カグラは楽しんでと激励の声を送る
「はい!」
カエデはそう言い返す
「カエデちゃん。これを」
フレデリカがカエデに紙を渡す
「これは?」
カエデがそう聞くと
「私の名前と血判が書かれた推薦状みたいなものね。私に会いたかったりしたらこれを使ってセラフ神聖国に来て頂戴」
フレデリカはそう答えた
「ありがとうございます。このカエデ必ずしもフレデリカさんのご期待にお応えします!」
「ふふ。期待はしないわ。待ってるわ」
「はい!」
そうして別れの挨拶が一通り終わるのを待っていた船長が
「カエデ様!行きますよ」
そう声を掛けた
「分かった!それでは」
カエデは船に乗り込む
「「行ってらっしゃい」」
その背を見送りの声が後押しする
「大きくなったわね。私達の娘は」
出航した船を見ながらカグラはそう言う
「そうだな。15年か。短くも長い日々だったな」
イブキもそう言う
「にしても、アヤメ様もこれば良かったのに。立場は今こそ違えどカエデとは幼い時からの親友なのに」
カグラがそう言うと
「その事なんだがアヤメ様がお前の事を呼んでいたぞ」
イブキがそう伝える
「え?なんで」
「自分に戦い方を教えて欲しいそうだ。この国を守れるようにと。カエデを見送らなかったのは帰ってきた時にカエデに強くなった自分を見せるためだそうだ。今日ここで見送ったら必ず泣いてしまうと」
イブキはどこかおかしそうにそう言う
「なるほどね。別に泣いてもいいと思うけどね?」
「お前が泣くのは子供を産む時だけだからな」
「涙を見せるのは惚れた相手だけだ!って言ってた私は本当にその通りになったと」
2人がそんな感じで惚気ていると
「お2人共イチャつくのはいいけど、子供の前ではやめておきなさい」
フレデリカが呆れた様子でそういう
「あら?フレデリカには相手が居ないの?」
それにカグラそう言い返すと
「あなたと別れた後色々あって生殖機能失ってるし興味もないからね」
そうエレボス並みの爆弾発言カウンターをかます
「「っ!」」
それにイブキとカグラは絶句する
「本当にあんた趣味悪いわよね」
「ふふ。さーて。この国を建て直すお手伝いでもしますか。エレボス探しするにも情報が無いし」
そうしてフレデリカ達は港から立ち去るのであった
{大切な思い出} それがカエデの花言葉
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