決着

「は?」

(切られた?)

そう思いながらエレボスはその場に崩れ落ちる

「ふー、ホントこの戦法は後味が悪い」

そう言いながらロマノフは顔をエレボスに向ける

「俺の固有魔法は{停止フリーズ}。全ての事象や物体を停止させることができる、、、さっきまでの斬撃の{切った}という事象をその場に停止させたんだ」

「っ?!なんだ、、、そのチート魔法」

エレボスは唖然とする

「魔解しないと魔力が足りなくてうまく扱えないから本当に使えない固有魔法だが使うとなれば効果は絶大だ」

「な、なるほど、、、というかこれで当てるって汚すぎるだろ」

エレボスがそう言うと

「お前いい子ちゃんぽかったからな。これから悪魔教団と戦うことになるだろうから気を付けろよ」

ロマノフはそう言った

「なるほどな」

「あ、今ので本当に最後だ」

「そうかよ、、、もう助からないのか?」

「無理だな」

「そうか」

「ということで気が向いたら俺の遺産は破棄しておいてくれ」

「りょうかーい」

そう言いながらエレボスはロマノフのペンダントを握りしめる

「にしても俺達の戦闘の余波で色々と巻き込んじまったな」

ロマノフは少し後悔する だが

「大丈夫だ。周囲の人達はアヤメに避難させるように言っておいたからな」

「っ!よかった、、、俺が負けた今死者は無駄になったからな」

ロマノフは安心した様子で息を吐く

「、、、さて」

エレボスはどうにか体を起こしロマノフに近づく そして

「・・・」

「え?」

そうして

ワァラク改めロマノフとの戦闘は決着した







「はー、はー」

「これで全員の治療が終わったな」

「はい」

戦闘が終わったエレボスはアヤメに合流してケガ人の治療を始める

「よかった。死んじゃった人は居ない」

「そうだな」

(ロマノフがそう命令でもしたんだろう)

エレボスはそう考えながらふと空を見る

「日の出か」

「この国の日の出でもありますね」

「そうしましょう。あとこれワァラクです」

そういうとエレボスは意識を失い完全に拘束されたロマノフを自身の影から取り出す

「本当にあの時は驚きました。全員の意識を奪うからそれを自分の周囲から避難させてくれと」

「実際できただろ」

「そうですね。後は私がこの者を民衆の前で殺せば良いと」

「ええ。狂信者は起こさずにただの民衆だけ先に起こして」

「何からなにまで完璧ね」

「元貴族の長男なんでね」

「ふふ」


日の出だ

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