感謝
「やはりワァラク達が魔素病をこの国に流行らせたのか」
フタモン港を見るエレボスの背からそんな声が聞こえた
「あまりに都合がよかったからな」
「最初からイブキ殿の忠告を聞いておればこのようなことにはならなかったであろうな」
「恐らくイブキ殿もここへ向かってきているであろう、、、謝罪をしないとな」
イブキを除く五神家の当主が己の不甲斐無さにうなだれながら口々にそう言う
「えっと、、、その」
それに気が付きエレボスは4人に何をどう話せばいいかを悩み口ごもる
「ひとまず!アヤメ様のお命を救ってくださった貴殿には感謝してもしきれない」
1人がそう言うと部屋にいたアヤメ以外が全員正座をし
「「本当にかたじけない!!」」
頭を床に付けてそうエレボスに感謝の言葉を述べた
「い、いえいえ!私もサンモンジ家にお世話になっていましたから。一宿一飯の恩というわけではありませんが恩を返しただけですよ。それに人を、、、特に子供を助けるのに理由は必要ないですから」
エレボスはそう恐縮したように返した
「何と謙虚な、、、しかし恩は恩。我々にできる事であればなんでも返そう。金か?名誉か?何か欲しいものは無いか?」
男達は頭を上げてそう言った すると
「、、、では、この国を救う権利をいただけませんか」
エレボスははっきりとそう言った
「「っ!」」
「アヤメ様だけでなくこの国を救っていただけるのか?」
「ええ。母さんは、、、悪魔教団を打ち滅ぼす立場にありますし俺も個人的に悪魔教団に狙われているのでね。勢力を削いでおくことは自分のためにもなりますから」
「「おお!」」
「ありがたい言葉だ。一先ず五神家が全員揃ってからの方が良いだろう。イブキ殿が来るまではこの城でお休みになってください」
「ありがとうございます!アヤメ様の体調についてや悪魔教団についてなどはいつでもお聞きになってください。知っていることや出来ることなど全てお答えしますから」
「助かる。そこの者。彼を、、、そういえばお名前は?」
「あ!失礼しました」
そう言うとエレボスは思い出したように仮面を取ると
「私はエレボス・エルピス。エーテル王国出身の落ちぶれた貴族の長男です」
そう名乗った
(母さんの家名、、、今の俺が使うのは大問題な気がするが。俺のことを息子だなんて言ったのは母さんなんだ。使わせてもらうぜ)
そう考えるエレボスのギルドカードに掛かれた自身の名前が光るのであった
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