ベルフェゴール

「ふー!夜でころか夕方に着けるとはベル様々だな」

ヤタガラス城の真下で止まったエレボスはそう呟く

(流石にまだ地面に風の反発力で飛ぶのが限界だが、、、これなら海渡れるんじゃないか?)

そんなことを考えていると

「貴様!何者だ!」

文字通り全方位から侍に囲まれて刀を向けられる

「おっと、、、さすがにド派手過ぎたか」

苦笑いをしながらエレボスは仮面を外し懐からサンモンジ家の家紋が刻まれた印籠を出し

「俺はサンモンジ家当主イブキ・サンモンジから頼まれこの国の皇帝アヤメ・ツクヨミの病を治しに来た!色々と置き破りをしたことは謝ろう。しかし今はここを通してくれ。まだ幼い少女の命を救う俺を止めるものは俺の前に出ろ!」

そう仰々しくまるで英雄譚のように堂々とそう言った

「「っ!!」」

その言葉の意味と覇気、そして印籠によって全員が体が固まる

しかし

「俺を止める気が無いなら俺の前からどいてくれ。時は一刻を争うことはあなた達が一番よくわかっていることだろう」

エレボスの言葉に動きを取り戻し全員がどうすればいいか右往左往する

すると

「よい!彼の者もここに連れてまいれ!」

ヤタガラス城の天守閣からそんな声が響く

「「っ!」」

その声に侍たちは道を開ける

「、、、冷静に考えたら道を開けてもらわなくてもよかったな」

するとエレボスはそう言い

ビュン

「よっと」

1跳で天守閣まで登った

「初めまして!」

「「なっ!この高さを?!」」

その行動にそれを見た人間は全員驚愕した

「では失礼しますね」

エレボスは室内に入ると同時に仮面を再び付けた

「こ、こっちだ」

男の一人が案内をする

カラカラ

そして襖を開けるとそこには

「っ!本当に幼いな」

息も絶え絶えなアヤメが居た

そして同時に

「子供?」

ワァラクに気が付く

「嘘だろ、、、昨日の昼までサンモンジ城に居たはずだ、、、伝令も考えたら夜までいたはず。なのになんでお前が」

ワァラクはエレボスがいることに唖然とした

「アヤメ様の世話係か?まあいいか」

エレボスはアヤメに近づき額に触れる そして

「ベルフェゴール」

魔法を唱える

すると

「カヒュー、、、ヒュー、、、スー」

息の音が正常になっていき

「あ、あれ、、、わ、、たし生き、、てるの?」

意識を取り戻しそう弱々しく言葉を漏らした

「「アヤメ様!」」

そのことに部屋にいたワァラク以外の全員が喜んだ

「よかった、、、これでカエデも安心するだろ」

(頼んだぞカエデ。どんなに俺はこの国を変えようとしてもアーデン魔国に再び襲われたらどうしようもできない)

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