翼を広げる
「わかっていると思うがこの刀は刀として使うのは無理だ」
刀を返したイブキはそう言う
「ええ。でも今回は戦いに行くわけではないですし、、、鈍器としては悪くないですから」
「そうだな」
そんな話をしていると
「エレボス!」
天守閣にカエデが駆けこんできた
「今からヤタガラス城に行くか?!」
そしてエレボスに駆け寄りそう聞く
「ああ。アヤメ様に死なれたらこの国が終わる、、、それだけは避けないとな」
「私も一緒に行くぞ!」
「いや、カエデさんには別のことを頼みたい」
「別のこと?」
「と言っても断ってくれても構わない。かなり危険度の高い頼みでな、、、その」
「もったいぶらず言って」
「この手紙を俺の友達に頼みたい」
そう言うとエレボスは先ほど書いた手紙をカエデに渡した
「、、、今どこに?」
「恐らく、今はエーテル王国のヘルメス領に居るはずだ。ヘルメス家の長女エクレア・ヘルメスに渡してくれ」
「ヘルメス領、、、エーテル王国も西ね」
「ああ。この国の馬なら10日で着くはずだ。ただその道中に何があるかわからない、、、ただ、エクレアの力があればこの国を立て直すのに有効なはずだ」
(エクレア経由でフレデリカに伝わる危険性はあるがヘルメス家からフレデリカに伝わるにも日数が必要なはずだ。その間に俺がこの国を変える下地を作る。その後は母さんとエクレアの両親に全部任せよう)
「任せてくれ!この国を救う一端を担わせてくれるならうれしい」
エレボスの話を聞いたカエデは笑みを浮かべてそう言った
「頼む」
「ああ!その代わりアヤメ様を、、、アヤメちゃんを助けてくれ」
「まかせろ!ではイブキさん。行ってきます!」
エレボスは天守閣の外に出ると
「エアドライブ!」
そう唱えて天守閣から飛び降りてそのまま
ビュン!!!
音速を超える速度で城を出て行った
「ヘルメス家か、、、確かカグラが子供の頃世話になったと聞いたな」
「え?そうなのですか?」
「ああ。カグラもお前とよく似ていたらしくてな。国外を出て世界中を旅したらしい。その道中で旅仲間の伝手でヘルメス家に世話になったって言っていたな」
「世界中を旅した」
その単語を口に出したカエデはどこか夢を見ているような雰囲気であった
(エーテル王国に行ってるときはお母様を助ける方法を探すだけで気が付かなかったけど、、、今思えば楽しかったのかもしれないな)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます