救国の悪魔術師
夜
「以上です」
「何、、、だと」
6日前に出した伝令から告げられた内容にイブキは唖然とした
「アヤメ様が魔素病になっただと?!」
「はい、5日前から症状からして間違いなく、、、しかも進行が異常なまでに早く私が城に着いた時点ですでに以前のカグラ様と同じほど危篤なほどまで」
「、、、」
「そのアヤメ様という皇帝陛下の後継者は居るんですか?」
横からエレボスがそう聞くと
「アヤメ様は今12歳だ、、、居ない」
「12歳、、、体も出来上がっていないですから一刻を争いますね」
「ああ、、、だが、カグラは発症して1年の時間を掛けてあそこまで進行した。それが5日となると。今からエレボス殿に治療してもらうにも3日は掛かる。恐らく間に合わない」
「、、、仮にアヤメ様が死亡した場合、次は誰がこの国を統べるのですか?」
「この国は皇帝陛下とその下に5つの名家、、、五神家が統べている。300年前までこの国は数多の勢力が覇権を争っていたがアヤメ様の家、ツクヨミ家がこの国を統一し今のヤマトが生まれた。そのツクヨミ家が滅んだとなれば間違いなく再びこの国は戦火に包まれる」
イブキは最悪の未来を想像して顔を顰める
「、、、今俺の刀はどこに?」
それを見てエレボスは何か覚悟を決めてそう聞いた
「え?鍜治場にあるが、、、まだ刃こぼれを治しかけている状態で使うことは出来ない」
「それで大丈夫です、、、俺がアヤメ様を助けます」
「っ!間に合うのか?!」
「馬で3日の距離なら、、、今から出れば明日の夜には。かなり力技ですが理論上は行けます」
「この国の未来を、、、アヤメ様を頼めるか?」
「任せてください」
「わかった!ならこの印籠を持って行ってくれ。これがあればアヤメ様が住んでいらっしゃるツクヨミ領のヤタガラス城へ着けばそのまま行けるだろう」
イブキはそう言ってサンモンジ家の家紋の入った印籠をエレボスに渡す
「刀を持ってくるから少し待っててくれ」
そしてイブキは部屋を出て行った
「、、、念には念を入れるか」
エレボスはそう言うと部屋にあった紙と筆を使って紙に文字を書いていく
(この国の馬なら10日程度で着くはずだ。アヤメという女の子を助けるだけじゃつまらないからな、、、この国を救う大歌舞伎と行こうじゃないか)
悪魔にむしばまれた国が悪魔によって復活する そんな物語が今始まる
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