魔教司教の襲来

6日目

「ありがとうございます!」

「いえいえ。感謝はサンモンジ家へお願いします」

「はい!」

治療行脚を続けて6日目。エレボスとカエデはこの国に来た時の最初の場所である港、、、サクラ港へたどり着き魔素病の治療をしていた

「右目が見えなくて大丈夫なの?」

「立体認知に障害が出るだけだから問題な」

「結構重大な問題じゃない?」

そんなことを言いながら魔素病を患っている人たちが集まっていた診療所を出る

「これはこれはカエデ様」

すると出た瞬間に声を掛けられた

「っ!貴様らは!」

その声の主にカエデが顔を怒りに染める

「っ!さすがに来るよな」

そしてエレボスもどこか納得した表情になる

声の主の正体は

「我々悪魔教団以外で魔素病を治せるとは驚きです」

悪魔教団の魔教司教だ

「ええ。これで貴様らの怪しい力に頼らずに済むよ」

カエデは殺気を駄々漏らしにしてそう詰め寄る

「怪しい力とは失礼な。しっかりとこの国の住民を癒している偉大な力です」

「その力で癒された民はどこか精神に異常をきたしているようだが?」

「きっと悪魔様のお力に惹かれたのでしょう。素晴らしい事です」

その言葉に取り巻きの司教も同意する

そして何より

パチパチパチ

周りにいた住人が拍手しているのである

「っ!」

その状況にカエデも言葉を失う

「わかっていただけましたか?」

そして司教がカエデの手を掴もうとする

だが

バシッ

「嫌がってる女の子の手を触れるのは人としてまずいですよ?司教様」

それをエレボスが止める

「、、、あなたが確か治して回っている少年でしたね、、、お名前は?」

「俺は追われている身でな。名乗ることもこの仮面を取ることもできないんだ」

「ほう?そんな怪しい人物が治療している、、、その方が怪しい力に思えますが?」

「俺の治療方法は固有魔法だ。ただ俺はそちらの方法について怪しい力だとは思っていないですよ」

「は?」

「え?!」

エレボスの言葉に司教とカエデが驚愕とする

「多分悪魔術式か権能だろ?」

「、、、そうですね。我らが当主総裁司教であらせられるワァラク様のお力をお借りしているのです」

「ほー。総裁司教なのか、、、よかった」

「よかったって何が?!」

カエデがそう叫ぶように聞く

「何って、、、この国に居る悪魔司教だったら全員殺せる」

「「っ!!」」

「総裁?そもそもクラーケンより弱いじゃねえか。まー、ここまでこの国を支配したんだから頭はキレるみたいだな、、、面白い」

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