ベルフェゴーラ

バタバタバタ

ガタン

「お母さま!」

ふすまを開けたカエデがそう言うと

「カエデ?!」

布団で寝ている女性の隣で座っている男がカエデのことを見て驚いた

「カ、、エデ?」

そして女性も弱々しい声でカエデを呼ぶ

「カエデ!今戻りました。勝手に家を出た処罰はいかようにでも。しかしお母様を助ける方法を!」

「何?!!それは本当か?!!」

カエデの父親の目に光がともる

「はい!エレボス!お願い!」

「ああ!失礼します」

エレボスは横たわっているカエデの母親に触れる そして

「ベルフェゴーラ!」

そう唱えた 

すると優しい黒い光が母親を包む

「お母さま!」

カグラが祈るようにそう言う

「頼む!治ってくれ!」

そして

「ん、、、あ、、れ?体が楽に」

母親はゆっくりと起き上がった 

「っ!カグラ!」

「お母さま!!」

そしてカエデとカエデの父親はカグラへ抱き着く

「ちょ!まで病み開けなんですから!」

エレボスのその声も聞こえないようだ

「、、、そういや5人兄弟って言ってたよな」

先ほどのカエデとの会話を思い出したエレボスは部屋の奥から天守閣の外へ出ると

「カグラ様が病に打ち勝ちお目覚めになったぞ!!!」

そう全力で叫んだ

そして数瞬後

「「うぉー!!!!!!」」

城中からそんな声が響いた





「お母さま!」

「よかった!!」

「死んじゃうかもって」

「母様ー!」

「元気になってよかった、、、本当に」

「ヒイラギにツバキにヒノキにサクラにカエデ、、、本当に心配をかけたわね」

エレボスの言葉で天守閣に来たカエデの兄弟とカエデが母親のカグラに抱き着く

「顔色も良くなった、、、これなら治療は成功だな」

(呪いの類でよかった、、、悪魔の権能由来だとあの捕食紛いができるかなぞだったからな)

そう考えながらカエデたちを見ていると

「エレボス殿だったな。妻の命を救ってくれて本当に感謝する」

カエデの父親がエレボスに深々と頭を下げた

「いえ。俺もカエデさんに助けられたのでそのお返しですよ。それよりも家臣の方も同じ病状だと。治しますので案内を」

「おお!頼めるか?」

「もちろん」

「着いてきてくれ」

「はい」

そして2人は天守閣を後にする





???

「捕食ね、、、それはあの馬鹿の専売特許よ」

ベルはベッドに寝そべりながらそう言う

「私ができるのは吸収、、、ただの児戯なんだけどここまで役立つとわね」

(そろそろエレボスとしゃべりたいわね)

「エレボスの人生がどんな道をたどるか、、、楽しみね」

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