悪魔とカエデの木
「それにしてもお前何歳なんだ?」
「今年で12だ。本当だったら王立学園に通うはずだったんだが、、、こうなっちまった」
エレボスは苦笑いだ
「、、、ここだけの話だがヤマトは今きな臭いぞ」
するとマスターが小声でそう言ってきた
「え?」
「エーテル王立学園は高学年になると他国に短期留学するんだが2年前からヤマトが候補地から外れたらしくてな。学園内の人間いわくヤマト側が一方的に拒否したらしい」
「なるほど」
(いきなりそんなことが起こるってことは確実に何かがあったな)
エレボスもそれに内心同意する
「きな臭いなら煙が上がるってことだ。身を隠すならちょうどいい」
「なるほどな。ま、幸運を祈っているよ」
「ありがとう」
そう話し終わると同時に
ガタン
「ここにヤマトを目指している少年が言うってほんとか?!」
紫の和服に身を包み刀を腰に携えた美しい女性が焦ってた様子で酒場に入って来た
「お!あいつがヤマトへの道が得れそうな女だ」
「お姉さん。俺がお姉さんが探しているヤマトを目指している少年だよ」
「っ!君が?その、、、いくら何でも幼くないか?」
女性はそう言う
「う~ん。そうだ」
そう言われたエレボスは
ビュン
一瞬で刀を抜いて女性に襲い掛かった
「っ!」
ガキン
しかし女性もその攻撃を刀を抜いて受け止めた
「っ!へー!」
(ベルの力は使っていないとはいえこれを止めるか)
エレボスは女性の強さに舌を巻く
キンッ
「失礼した」
女性は剣を鞘に納めた
「俺の強さは分かってくれたか?」
「十分に」
女性はエレボスの強さを認めた様子だ
「俺は、、、エレボス・エルピスだ」
エレボスはフレデリカの名字を名乗った
「エレボスさんか。私はカエデ・サンモンジだ」
そして女性も名乗った
「カエデさんか。ここに来たということはあなたもヤマトに行きたいと?」
「ああ。しかも君と同じように急ぎだ」
「俺はクラーケンを倒すことは出来るが船を操縦することは出来ない。その伝手はあるか?」
「私には船を操縦することができる。そして丈夫な船が1隻ある」
「報酬は護衛で良いか?」
「それとその刃こぼれした刀を研ぐのも報酬としてお渡ししよう」
「っ!できるのか?」
「サンモンジ家は鍜治師の家系だ。私の腕前はまだまだだが研ぐぐらいならできるだろう。最悪お父様に私から頼もう」
「交渉成立だ」
エレボスは手を差し出した
「ああ」
カエデはその手を強く握った
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