フレデリカの愛と覚悟

フレデリカの部屋

ガチャン

「フレデリカ!まずいことになった」

エリンの話を聞いたエレボスは違和感を持たれないようにエリンと別れると即座にフレデリカの部屋に勢いよく入った

「ん?どうしました?」

「姉さんからさっき言われたんだが明後日に俺、悪魔との仮契約するらしい!」

エレボスがそう言うと

「ああ、それですか。それなら大丈夫ですよ」

フレデリカはなんてことは無いといった様子でそう言う

「え?」

「まず、このままの契約をした場合の問題ですが、すでに契約しているのにさらに契約しようとなるとどうなるかわかりませんす。それに下手したら元々契約していたことが当主様たちにばれるかもしれないという2つがあります」

「ああ。どっちも大問題だ」

「なので、契約する前にエレボス様に術式を付与して悪魔を祓い、契約したように見せかけます。そうすればまず悪魔契約はしないで済みます。そのあとに今契約している悪魔の力を使えばいいんです。メイド達には昔と同じように問題ないと話しておきますから」

フレデリカがそう説明する 

しかし

「ちょっと待て!悪魔術式は使うなって3年半前に!」

「私の前で問題が発生したなら対処ができます。教育係が私なら問題ないですから」

「この家を出たらそれも終わりだろ、、、どうするんだよ」

「そこは安心してください。完璧な作戦があるのでそこは」

「そうなのか?」

「ええ。完璧な」

「そ、そうか」

(フレデリカがそう言うならそこは問題無いな)

エレボスはフレデリカを信じることにした

「昨日も言ったとおり私はエレボス様を本当の子供だと思っています。私だけはエレボス様の味方です。そしてエレボス様が間違った方向に進んだら私が力づくで止めます。だから安心してください。私を信じて任せてください」

「ああ。信じてるよ。時間を取らせたな。それじゃ」

エレボスは部屋の扉に手を掛け

ガチャ

扉を開けて廊下に一歩足を踏み出した その瞬間

ゾクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!

突如、体全体を感じたことが無いほどの圧倒的な寒気が走った

それは3年半前に自分に死が近づいた時よりもはるかに、、、比べる事すら馬鹿げているほどの圧倒的な寒気だった

「どうされました?」

様子がおかしくなったエレボスを見てフレデリカが声を掛ける

「いや大丈夫だ」

振り向いたエレボスの瞳には心の底からの心配と太陽のような優しさを秘めたフレデリカの姿が写った

しかし寒気は一切引くことは無かった


そうしてエレボスは部屋を出て行った

「エレボス、、、どうしたのかしら?」

フレデリカはエレボスが出て行った後もエレボスのことを心の底から心配する

「、、、それにしても大きくなったなー」

そういうとフレデリカは胸元からペンダントを取り出しペンダントのふたを開けた

そこにはフレデリカと初めてケーキを作った時のエレボスの姿が写った写真があった

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