エレボスの本心と不穏な気配
「え?」
突然のエレボスの涙にフレデリカは固まる
「あの時エクレアを助けたことはまだいいかもしれないけど、、、家まで連れて帰るっていう選択は間違ってたんじゃないかって」
「っ!」
その言葉にフレデリカは気付いた
(エレボス、、、あなた。そうよね、、、いくらあなたでもまだ8歳の幼い少年。自分の行動である意味お姉さんともいえる一人が死んだんだからそんなの普通なら絶望して心が折れてもおかしくない)
「、、、エレボス様の行動が間違ってるのかいないのかはまだわかりません。それを決めるのは今後です。例えばアクアのおかげで契約できた悪魔の力をエレボス様が今後誰かを救うために使えば間違ってなかったと言えますし、逆に誰かを不幸にするために使えば間違っていたということにもなります」
「そうか」
「ですから、、、アクアの死の意味を作るのはエレボス様の今後の行動です。私も協力します。だから前を向きましょう」
フレデリカはそう言ってエレボスの目を見つめた
「そうだな、、、そうだよな!アクアを殺したのは俺だ、、、だったら責任を取ってその命を最大限意味のあるものにしないとな」
エレボスはその言葉に奮い立ち立ち上がった
「はい。私も全力でお力をお貸しします」
「ありがとな」
「ええ」
「それじゃー、戻るか」
そう言ってエレボスは立ち上がった
だが
「一個聞いてもいいですか?」
フレデリカがそれを呼び止めた
「うん?どうした?」
「悪魔術式、、、さっき使ってましたよね?」
「え?うん」
「ヘルメス公爵夫人曰く仮死状態になった時に根本的な治療をしたそうなんです。だから悪魔術式も使えないはずなんです」
「え?そうなのか?あ、でもだから会話できなくなったのか」
「え?会話?!」
エレボスの悪魔と会話ができるという発言にフレデリカは唖然とした
「なんかあるのか?」
「仮契約で、、、それも伯爵クラスの悪魔と会話できるっておかしいですよ。そもそも本契約していても悪魔と自由に会話できるって相当おかしい。そんなことができる人なんて歴代でも十数人しか聞いたことないですよ」
「そうなのか?」
「エレボス様、、、悪魔術式は一回使うのやめましょう。なんかおかしいですよ」
「大丈夫だよ」
(闇魔法の適性と転生者ていう点があるからベルも俺に興味が湧いたんだろ)
フレデリカの心配をエレボスは問題ない言う だが
「ダメです!悪魔というのは本来、人には余る力なんです。聞き入れていただけないなら今後武道の指導は一切しませんよ」
フレデリカはそう言って脅しを掛けてきた
「なっ!」
(それはまずいだろ!悪魔契約って言う応用を使うのに武道って言う基礎を使えないのはきついし、最悪の場合を考えると鍛えとかないとまずい。我流はまだむりだし)
「わかったよ。悪魔術式は使わないよ」
「そうしてください」
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