帰路

パカパカパカ

「良い天気ですね」

ヘルメス家を出たエレボスとフレデリカは都市ウェスタを出てすぐの森の前辺りを馬車で進んでいた

「、、、」

「お坊ちゃま?」

「ん?ああ。良い天気だな」

エレボスはどこか気の抜けた様子だ 

それを見てフレデリカは少し考えると

「、、、キスされたことでどぎまぎしてます?」

そう言った

「ふぁ?!!!」

そしてその予想はドンピシャだった

「ふふふ!初心ですねーwまだ8歳のお子様には早かったですね」

「っ!うるせえぇ。フレデリカこそ俺が生まれるより前からベルムート家でメイドしてたんだろ。出会いとか無いんじゃないのかw」

「そうですね。まー、恋愛に興味はないですから特に弊害無しですよ」

「ふん、その言葉フレデリカに旦那と子供ができた時に覚えてろよ」

エレボスはそう言ってふて寝しようとする だが

「それに、私悪魔契約の代償に生殖機能を使ったので子供は出来ませんね」

「っ!!」

フレデリカがさらにと漏らした言葉に絶句した

「ご、ごめん」

「いや、要らなかったので別に気にしなくていいですよ」

「いや、、、だとしても」

「伯爵級の悪魔と契約できましたしいいですよ」

「え?!伯爵級?!」

「はい。アモンという火を吐く狼の悪魔です。シンプルですが私も火属性の適性があったのでとても使いやすいですよ

「ほへー」

フレデリカの情報にエレボスは興味を思った

「あ、そういえば話は変わるがフレデリカ」

「はい?なんでしょうか?」

エレボスは気になっていたことを聞く

「エクレアやその両親に具体的にどんな説得したんだ?」

「まず、私とお坊ちゃまの関係を雇い主と冒険者見習いという設定にしましたね」

「ああ。それはエクレアたちの前で話してた感じで分かった」

「それで、私にセラフ神聖国の学園に知り合いがいるから預けるって話したんですよ。これでアーデン魔国からの保護という名目は崩しました。そしてお坊ちゃまが騎士になりたがっていない、そして依頼主だからという理由でどうにかしたんです」

そうフレデリカは説明した だが

「、、、え?それだけ?」

エレボスはあまりにあっさりとした内容を怪訝に思う

「ええ」

「そ、そうか」

(こんな薄っぺらい内容でエクレアを説得できたのか?)

「、、、あ、エクレアさんには悪魔契約関係と闇魔法について教えてもらったのでその解決のためだとも言いましたよ」

「あ、なるほど、、、ん?!闇魔法?!」

「はい。いやー、驚きましたよ。闇魔法使えるなんて」

「あ、ああ。怖くないのか?」

「私なら制圧できます」

「そ、そうか」

(フレデリカ、、、底がみえないな)

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