ヘルメス家の家族会議

大礼拝から一夜明け 朝食

「エクレア。エレボス殿の件、、、正直私は反対だ」

バロラントがそう言う

「それはエレボスが私の騎士としてふさわしくないという意味ですか?」

「まさか。彼は騎士として十分すぎる素質と資格を持っている。彼の立ち振る舞いは没落貴族の子が10歳ぐらい年をかさマシしているのかと思うほどだ。そして強さは上位聖騎士と同格だろう」

エクレアの言葉にバロラントはしっかりと否定する

「では、何故?」

「彼の意思を無視しているからだ」

「、、、何度も説明した通り、エレボスは私達が力づくで引き込まなければこの先さ様々な困難に遭います。例えば他の悪意にある貴族に無理矢理囲われたり、今回の一件でアーデン魔国から報復されたりなど様々なことが考えられます。特に報復の方はこの国だと王家のアストレア家か我々ヘルメス家以外では不可能です」

「だが、、、」

エクレアの反論を受けてもバロラントは首を縦に振らない それを見て

「私は良いと思うけどね」

メーテリアがそう言う

「彼がアーデン魔国から報復をされるって言うのは十分な可能性があるわ。そしてそれを守れるのはエクレアの言う通りアストレア家かこの家だけよ」

「それは、、、」

「そ・れ・に。何よりもエクレアに良い効果を与えるわ」

「「え?」」

メーテリアのその言葉にバロラントだけでなくエクレアも声を上げる

「どういうこと?!お母様」

「少し前までエクレアはおどおどといて箱入り娘っていう印象が強かったけど今はどこか修羅場を乗り越えたそういう印象を受けるわ。今回の一件で右目を失うという大きな代償を負ったかもしれなけれど、私はそれ以上の対価を得たと私は思うわ。だからこそ私は彼がここにとどまるのは良いと思うわ」

「そうかもしれないが、彼の人生を固めてしまうのは、、、」

「別にエクレアも理由付けで彼を騎士に置きたいのでしょ。できるのであればそのまま騎士になってほしいかもだけど最悪彼の未来を固定する気はないんでしょ」

「はい。エレボスが何かやりたいことがあるなら私の騎士を下りても構いません。私の目的はある程度育つまで、、、学園卒業までこの家で」

「なるほどな」

エクレアとメーテリアの意見を聞いたバロラントは考える

そして遂に

「わかった。認めよう」

バロラントはエレボスを囲い込むことを認めた

「ありがとう!」

「さ、今後のことはこの後考えるとして朝食を食べましょ」

「はーい」

「待て待て。彼とマカロンが来ていない」

「そう言えばエレボスは寝てるとしてマカロンは?」

エクレアがそう聞くと

「マカロンはエレボスを起こしに行くって言ってたぞ」

「ああ。にしても遅くない?」

そうエクレアが不思議そうに言った瞬間だった

ガチャン!

「お姉様!エレボスさんが死んでる!!!」

マカロンが勢いよく食堂に入ってきてそう言ったのだ

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