ヘルメス家の儀式

「「おー!」」

当主のバロラントの覇気のある言葉に全員がそう声を上げた

「エレボスよ。まずは改めて我が娘を助け出しここまで護衛をして連れてきてくれた。ヘルメス家当主としてそして父親として最大級の感謝を」

バロラントがそう言い終わるとエレボスは

バサッ

その場に素早く跪き

「私のようなものにもったいなきお言葉です」

しっかりとした口調でそう言った

「「っ!」」

その光景を見てその場にいたエクレアとマカロン以外の全員が目を丸くした

(こんな幼い子がこんなしっかりと、、、彼は何者だ?)

バロラントはそう思いながらも

「貴君に何か褒賞を与えたい。何か欲しいものはないか?」

そうエレボスに問う

「え?いや、、、特にないですね。一応、エクレア経由で一時期世話になっていたベルムート侯爵領の特産品であるメーロンを流通させてもらうっていう話がありますからっそれが報酬ですね」

しかしエレボスはできる限り大きな話にしたくないのでそう言う だが

「そうなのか、エクレア?」

「はい。ただそれはここまで連れてきてもらうため報酬です。今回エレボスは魔教司教に襲われその中には騎士司教と伯爵司教が居ました。さらに姉のような存在を殺されるどころかその死体は辱めを受けさせられました。そしてエレボス自身伯爵司教を命がけで討伐しています。このことから当初の報酬ではあまりに不十分だと思います」

エクレアがそうはっきりと言った

「なっ!」

それを聞いてエレボスは唖然とした

「え、エクレア」

思わず声を上げるが

「ほう?なら何を褒章として渡せばいいと思う?」

話を取り合ってもらえない そしてバロラントの問いにエクレアは

「どうでしょう。私の護衛見習いとして当家に迎え入れるのは?」

そう案を出した

「なるほど。それは良い。どうだいエレボス殿?」

「はぁ?!いや、結構です」

エレボスは先ほどまでのしっかりとした受け答えではなく素の反応でそう返す

「お父様!エレボスは欲が薄くてこういう好意を受けることが苦手です。その、、、公爵家の権力で強引に、、、」

しかしエクレアはそう言い放つ

「ふぁ!?」

(エクレア何考えてるんだ?!)

「ふふ」

({ベルムート家はアーデン魔国につながってる}でも、エレボスはまだ!悪魔契約も仕方なくやってる。闇魔法適正も使いようでプラス要素にできる)

「私は強欲だからね。力ずくでこっちの世界に来てもらうわよ」

エクレアの目に決意がみなぎる

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