目覚め
「ん?」
エレボスは目を覚ます
「ここは?」
起き上がり辺りを見渡すとそこは
「広い部屋だな。父さんの部屋並みだな」
とても広い、父親のベルムート家当主ベルムート・ラオスの私室と同じ大きさの部屋にエレボスは居た
「一先ず起きるか」
エレボスはベッドから降りる
「痛っ!くそ、やっぱり体への負荷がやばかったか」
(動けないほどじゃないが戦闘行為は無理だな)
「エクレアはどこだ?」
そんなことを考えながら痛む体を押して
ガチャ
部屋の扉から外に出る
「っ!」
そして自分の目を疑う
「な、長い、、、何だこの廊下」
廊下があまりにも長かったからだ
「ど、どこだここ?」
エレボスがそう唖然としていると
「ん?ちょっと!何外に出てるんですか?!というか目を覚ましたんですか?!」
エレボスの左からそんな男の声と共に自分に駆け寄る足音が聞こえる
「うわぁ!誰だ、痛っつ!」
エレボスは反射的に構えるが体を刺すような痛みを走る
「俺はヘルメス家騎士団副団長のエンデ・アベルです。そしてここはヘルメス家のお屋敷です」
男はそう名乗る
「ヘルメス家騎士団?そうだ!エクレアは?」
「安心してください。エクレアお嬢様ならすでに治療を受けて2日前に意識を取り戻しています。そんなことより今は君ですよ。一時は衰弱しきって命の危機さえあったんですよ!早く部屋に戻って休んでてください!」
アベルはそう言ってエレボスは部屋に戻した
「今医者を呼んできますから、絶対に安静にしていてください」
そしてそう言うと爆速で部屋を出て走っていった
「そんなヤバいのか俺?」
そう呟くと
{やばいなんてものじゃないよ}
「ベル!」
{元気そうね、、、いや体は元気じゃないんだけど。まずはエクレアちゃんをヘルメス家まで護送できたことおめでとう。代償は、、、大きかったけど}
ベルはねぎらいの言葉を掛ける
「ああ」
{一先ず今は休みなね}
「魔力回路は魔法が使えないレベルで壊れてる。体も魔法の使い過ぎでボロボロ、、、特に足は一歩間違えたら歩けなくなってましたよ」
医者がエレボスの体を見てそう言う
「マジか、、、治るのにどれくらいかかりますか?
「子供の成長量である程度バフがあるとしても魔法回路は1月。肉体は1年ぐらいはかかりますね」
「そうですか」
「エクレアお嬢様からお聞きしましたが冒険者見習いの方だと。当主様も幾らでもここに泊まってもらってもいいと。もしよろしければヘルメス家で仕事を与えるとも言ってらっしゃいましたからご一考を」
医者の話が終わると同時に
バタバタバタ
外から人が駆ける音が聞こえ
ガチャン
「エレボス!」
エクレアが目に大粒の涙を抱えて勢い良く部屋に入って来た
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