終幕

「はー、はー、」

(魔力がほとんど残ってない。やっぱりただでさえやばい闇魔法の中でも上位の魔法はきついな)

魂に直接攻撃する魔法(ソウルブレイク)はただでさえ残量が少なかったエレボスの魔力をほとんど空にした

しかしその効果は絶大で

「モラクス様、、、」

「おい!何で誰もモラクス様の器になってない!」

「と、と言うか、モラクス様の魂の気配が無い?!」

配下の司教達の反応から分かる通り

「成功したな。しかも倒せるなんてな」

モラクスはエレボスの一撃で魂を砕かれ絶命した

「お前らの伯爵司教様なら俺が殺したよ。魂を破壊するれば魂の移動は出来ないだろ。後はお前らだけだ。さっさとそいつの死体でも持って帰ることだな!!」

エレボスは殺気を込めてそう言い放つ

(ここで引いてくれないとこっちが死ぬんだよ!魔力ほとんどない状態でいくら減ったとはいえお前ら相手なんてできねえんだよ!)

そうエレボスは顔には一切出さずにそう考える

だが

「モラクス様がお亡くなりになられたのなら我々も死のお供をするだけだ!」

「そうだ!貴様とその小娘は我々の命と引き換えに殺す!」

「そもそも、魂を破壊するほどの術式、貴様のようなガキが使えば魔力が底を尽きるだろ!」

司教達は意にも介さずエレボス達に襲いかかってくる

「くそ!デモンズアクセル!」

それに対してエレボスは逃走という選択肢を選んだ

(俺だけの戦闘ですらキツイのに意識のないエクレアを守りながらなんか勝負にならねえ!それ以前にエクレアの命が危ない!)

そう考え逃げるエレボスはさらに

ドン

上空に花火のような炎の球を放った

「巡回中の騎士に見つけてもらう以外に生き延びる道は無いんだよ!誰かかがついてくれ!」

エクレアを抱えて逃げるエレボスはそう願い一心不乱に魔法を使いながら逃げる

だが

「ぁ!」

魔力が切れた

エレボスは魔力が切れると同時に体から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまう

「クソったれ」

悪態をつくエレボスの声にも元気は無い

「魔力切れか!」

「死ね!」

そして後ろから追ってきていた司教達の凶刃がエレボスに迫る

(クソ!すまんアクア。お前の死、無駄にしちまった)

そうエレボスが死の覚悟を決めてアクアに謝罪したその時だった

「ホーリーバースト」

そう凛とした声と共に

ドカン

「「がぁ!!」」

純白の閃光砲が司教達を消し飛ばした

「大丈夫か!少年!」

そして閃光砲が飛んできた方角から完全武装した女騎士が現れエレボスに駆け寄った

「お、俺よりもエクレアを。このままじゃ死んじまう!」

そう言うと同時にエレボスは意識を失った

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