悪魔術師 ベルムート・エレボス

「っ!まさか自分の魂を使って悪魔契約をさせるとは、、、想定外だったな」

アクアの肉体を完全に奪ったモラクスはそう呟く

(まあ、付け焼刃になるだろうがな。72柱の悪魔という時点で次元が違う上にモラクス様は伯爵級。技量の差も考えれば天地の差がある)

そう考えながらモラクスはエレボスに近づく

「とはいえ悪魔契約を待ってやる必要もないしな、、、さっさと殺すか」

そして槍を構え

「来世では良い人生を」

そう言って槍をエレボスの心臓目掛け突き出した

だが次の瞬間

「っ!」

バタッ

モラクスはその場に倒れてしまった

(な、なにが?筋肉に力が入らない?どうなって)

モラクスは自分に起こったこと自体は理解したが何故かは理解できなかった

「すげぇな。見ただけで倒せるなんて」

「っ!」

上から聞こえたその言葉にモラクスは思わず目線を上に向ける するとそこには

「なっ!」

ブラックエメラルド色の魔法陣が刻まれたが右目を冷徹に向けるエレボスの姿があった  そして

「アクアの体、、、てめぇがこれ以上使うんじゃねえ!」

スパン

エレボスはモラクスの首を跳ねた

「今度こそ死んだか。アクア、、、お前の敵取ったぞ」

そう言ってエレボスは黙とうをささげる そして

「エクレア、、、ごめん」

(右目は完全に失明してる。それ以前に生命の危機がある、、、ひとまず)

「ベルフェゴーラ」

エレボスは回復魔法をエクレアに掛ける

「これで少しは先延ばしにできたが」

(根本的な解決はしてないから早く医者に見せないとまずい。それに)

「フルカスの攻撃を受けたなら魂の転移の受け皿になってる問題がある。魔法の類じゃないから俺の固有魔法でもどうもならない」

{魂の転移}というモラクスの切り札にエレボスは頭を悩ませる 

すると

{安心して。その子に{魂の転移}はできないよ}

ベルが脳内にそう言ってきた

「え?なんで?」

{あの子、、、エクレアちゃんはヘルメス家の血筋。エーテル王国の王家の血筋自体が精霊の血を引いてる。その上ヘルメス家はセラフ神聖国と関係が深いから生まれつき神聖加護を持ってるの}

「それで対抗できるのか?」

{両方とも悪魔への耐性として有効でそれが両方あるんだから悪魔への耐性はセラフ神聖国の聖騎士団の隊長クラスと同格ね、、、君主クラスの中でも上位の力じゃなくちゃ影響を軽減出来たり無効化できるよ。追跡の方は無理だけど}

「なるほどな、、、ならもう逃げることだけ考えればいいのか」

ベルの説明を聞いてエレボスはそう言う

{ええ。エクレアちゃんはあと二、三日の命よ。急がないと死んじゃうわよ}


悪魔術師ベルムート・エレボスの初陣が始まる

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