2つの過ち

バタバタバタ

「エレボス大丈夫?」

「ああ」

「ごめんなさい。私が運動できないからって背負ってもらっちゃって」

「いいんだよ。それに川に着いたらエクレア頼みなんだ」

(このまま森を走っても俺の魔力切れでいつかモンスターにバレて食い殺される上に時間がかかりすぎてアクアが持たない)

「でもエクレアの魔法であの大量の水を川で出せばとんでもない速度で森を抜けてそのままウェスタまで行ける」

そう考えエレボスはアクアとエクレアを抱えて走る

(ここまでモンスターや司教達が来てもしっかりとすればバレることはない。闇魔法なんてこんな場所で持ってるやつがいるなんて誰も思わないだろ)

エレボスがそう思っていると

「、、、あのさ」

突如エクレアが話しかけてきた

「ん?どうした」

「エレボスの固有魔法って回復魔法なんだよね?」

「ああ。回復と解呪だ。それがどうした?」

「、、、気配遮断と透明化は無属性魔法かもしれないけどさ、、、幻影魔法は何属性の魔法なの?」

「っ!!!!」

エクレアのその言葉にエレボスは顔が引きつる

「もしかして闇魔法?」

「、、、」

(しくじった!冷静に考えたら幻影魔法はどう考えても闇魔法だろ!)

エレボスはそう焦る

「、、、今はそんなこと気にしている場合じゃないよね。ごめん」

「いや、、、大丈夫だ」

(大丈夫なわけあるか!)

そうエレボスが心を乱していると

ガサッ

「「っ!」」

突然足音が聞こえた そして

「ここら辺に居るはずなんだが」

モラクスがその場にいた

シュ

エレボスは即座に木の裏に隠れた

(早すぎる!ほぼ一直線出来てる早さだぞ!)

「バレないんだよね?」

「ああ。五感全ての情報があっちには伝わらない。隙を見て走るぞ、、、ただ」

(なんでこんなすぐにここまでこれた?アクアに追跡用の術式を?いやベルフェゴーラでそれは解呪できたはず、、、どうなって?)

「ひとまず、バレる事は無いんだ」

そうエレボスが考えた瞬間だった

{そこから離れなさい!!}

頭にダウナーな女性の声が響いた

「え?」

ビュン

その言葉にエレボスは反射的に従ってしまい木の裏から離れてしまった 

その瞬間

ドカン!

「っ!」

エレボスが隠れていた木にモラクスが魔法を撃ちこんで木の周辺が消し炭になった

(なんで!?)

そうエレボスが唖然としていると

「おいおい。魔法だけじゃなくてカンも良いのかよ」

モラクスが透明になっているエレボスを見ながらそう言う

「、、、なんで俺が居るって!」

エレボスは透明化を解いてそう聞く

「俺の契約しているモラクス様の力には{占星術}と{眷属支配}の二つがある。その力を使って俺の支配していたモンスターに襲われたそのメイドの居場所にマーキングをしてたんだよ。この世の理に居場所を写すから解呪もできない最強の追跡方法だよ」

それにモラクスはそう答えた

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