つかの間の安息
騎士団と合流して10日が経った
「この次の都市がヘルメス領の都市にしてヘルメス家本家がある{都市 ウェスタ}です」
フェニエルからさらに2個の都市を通り抜けた一行は遂にヘルメス領に向かう
「ウェスタ、、、良い名前ですね」
「ああ。都市には温泉がいっぱいあってな。商売も盛んだが観光も同じぐらい盛んなんだよ」
「へー!温泉かー」
(この世界は普通に湯船に使う習慣があったからそこまで恋しくはないけど日本人として温泉は入りたい!)
エランの紹介にエレボスは嬉しそうだ
「そういえば、こないだから気になってたんだが、、、エレボスって貴族なのか?メイドが11人いる上に質も良いとなると貴族じゃないかもしれないが、ふるまいからそう思ってな?」
するとエランが追う聞いてきた
「あ、、、ええ。一応貴族ですね。ただ、このことは内密に」
「え?なんで?公爵家、、、それもヘルメス家と繋がれるチャンスなのに?」
エレンが不思議そうにそう聞く
「公爵家とつながりを持ってしまうといろいろとめんどくさそうですし、、、実は今回の一件、両親に何も言ってなんですよ。姉の学園入学で王都に行っている間に起ったことなので」
「なるほどな。だが、褒章を何ももらわないのはもったいなくないか?」
「そこは個人的にエクレアとか買われたことで十分ですよ。自分が家督を継いだりしたときに役立ちそうですし、、、そもそも同年代の知り合いが欲しいかったのでそれだけでもじゅうぶんですけど」
「あー。なるほどな、、、学園に出たとき大変そうだな。今回の一件でエクレア様の庇護下に入っておけるかもな」
「あー、、、なるほど」
(それは魅力的だな)
そんな会話をしながら一行は進んでいく
{夜}
「あと2日でウェスタに着きますね」
「そうですね、エクレア様、、、一回早馬を出しておいた方が良いか?今出せば明日の夕暮れには着くだろうから当主様たちも安心していただけるだろうし」
そういうとエランは書文を書くと近くに居た騎士にそれを渡した
「すまないが早馬で先にウェスタに戻っておいてくれ」
「了解しました」
そうして騎士は馬に乗って先に行ったのであった
「一人で大丈夫なんですか?魔獣や盗賊に襲われたりしたら危ないんじゃ?」
その後姿を見ながらエレボスがそう言うと
「騎士というものはそんな弱くないですよ。ましてやヘルメス家の分隊の騎士、、、先日のモンスターとのチェイスも問題ないレベルでしょう」
アクアがそう言った
「アクアさんの言う通りです。俺の分隊にそんな軟弱者はいませんよ」
それにエランも追随する
「なら大丈夫か」
「はい。ご飯作りますので皆さんお待ちを」
「我々もお手伝いさせていただきます」
そうして大人は料理を始めるのであった
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