エクレアの才
「これが村ですか」
「ああ。エクレアが住んでいる都市に比べたらみすぼらしいだろうが、これはこれでいいものだろ」
「みすぼらしくないわよ。こんな大きな村、、、もはや都市とまではいかなくても町と言えるレベルよ」
エクレアを山賊から助けて2日経ち、明日の出発を前にエレボスはエクレアをベルムート家領地、唯一の村マクア村に連れてきた
「規模はこの国でもかなり大きい村だし豊かだしで本当にいい村だよ」
「そうみたいね。私は一度も村を見たことないけどいい村だってわかるもの」
二人は村を歩いていく すると
「あれ?エレボスじゃないか?!そんな身なりのいい女なんて連れて、、、お前の女か?」
村の露店のおじさんからそう声を掛けられた
「違いますよ。盗賊に攫われていたのを助けて護衛してるんです。明日この子の家に向かう予定です」
エレボスは笑みを浮かべてそう返した
ちなみにエレボスが村に入れている理由だが自分は冒険者だと言って入っているのである
「そうか!それは災難だったな。災難なことを吹っ切るためにもこれでも食べな」
そう言って露店のおじさんはメーロンを大きく切ってスプーンと一緒にお皿に乗せた
「メーロンか!いいのか?」
「いいんだよ。余裕はあるし、お前にはモンスター退治で少し世話になってるからな」
「そうか。でもありがとうな」
「ありがとうございます」
二人はお礼を言ってメーロンを受け取った
「それじゃいただきます」
「いただきます」
そして二人は食べた
「うん!やっぱりおいしいな」
「っ!おいしい!家で食べた時より格段に!」
エクレアはそう驚いた様子でそう言う
「そりゃー、そうだ。朝採った新鮮な奴だからな」
「なるほど、、、これが遠く離れた場所でも食べれたらなー」
「これってどう輸出してるんだ?」
エレボスがそう聞くと
「冬の寒い間に馬車で走らせてるんだよ。氷を積んでな。氷の量が多すぎてメーロン自体はそこまで多く運べない上遠くにも運べないから南の方じゃ流通してないし、流通していてもあっちじゃとんでもない価格になると盟主様がなやんでいらっしゃったな。一人娘のエリン様も学園に行っては食べれないと悲しんでいらっしゃたよ」
おじさんは悲しそうにそう言った
「なるほどな、、、どうにかいい方法がないかな?」
「そんなのがあれば大助かりだよ」
そう二人が話していると
「あの?」
エクレアがそう声を上げた
「陸路ではなく川を使って輸送してはどうでしょうか?川なら水の冷たさで鮮度が保てますし南の方にも運べるかと」
「水路は関税が大きすぎて、ダメなんだよ」
「いや、、、このメーロンだったらその関税を足した金額でも売れると思う」
「そうなのか?」
「うん。この販路、、、正直かなりおいしい。エレボス!一回この村のメーロンの生成数調べましょ!こんな宝の原石磨かない手はないわ!メーロンありがとうございました!」
そう言ってエクレアはいつの間にか食べたメーロンの皿を返すと
ビュン
走り出してしまった
「え?、、、えー?!おいしかったよ!」
エレボスもメーロンの皿を返して後を追うのであった
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