帰宅と言いくるめ

「さてと」

ベルムート家の屋敷の前まで着いたエレボスはそう言って息を吐いた

(多分これでごまかせるはず)

そしてそう考えていると

「あの?そろそろおろしてもらっても?」

エクレアがおずおずとそう言ってきた

「え?あー!ごめんごめん」

エレボスはそう言ってエクレアを立たせた

「いえ。それにしてもエレボスさんも貴族の子だったのですか?」

「ん?ああ。侯爵家だな。もってことはエクレアさんもなのか?」

「はい。家です」

「ああ」

(同じ家だったのか。結構大物だったな)

  <エレボス君ー!読み方同じで挌も一つしか違わないけど、公爵って王家の親戚かよほど国に功労した家だぞ>

そんなヤバい勘違いをしながらエレボスは

「それじゃー、これから屋敷に入るがなんとなく話を合わせてくれ」

「うん」

そうして二人は屋敷に入る  そして

「誰か!誰か来てくれ!」

屋敷の敷地に入ったエレボスはそう叫んだ

すると

ドタドタドタ

屋敷内でバタバタ人が動いた音がして

バタン

「お坊ちゃま?!」

館の扉が良き良い良く開けられフレデリカを先頭に数人のメイドが驚愕した様子で駆け寄って来た

「何故ここに?それに隣のお嬢さんはいったい?」

「すまん!説明は今からする。その前にこの子に部屋と軽い食事を」

「わ、わかりました。あなた達用意を」

エレボスの指示にフレデリカ達メイドが動く

「じゃー、フレデリカはこの子の案内が終わったら俺の部屋に来てくれ」

「わかりました」

そうして夜にもかかわらず屋敷内は慌ただしくなるのであった



エレボスの部屋

「解除」

自室に戻ったエレボスは分身を消去した

そして少しして

ガチャ

「お坊ちゃま」

フレデリカが部屋に入って来た

「ああ。まずはすまなかった。こんな夜に」

「いえ、、、それはよろしいのですが、何故外に?」

フレデリカがそう聞くと

「寝ていたら夢の中で森に行けって誰かに言われて、、、それで目が覚めたらなぜか心に強く残っていて、、、行ってきたんだ。そしたら盗賊に攫われていたあの女の子を見つけて助けたんだよ」

エレボスはそう答えた

(こういえば、フレデリカは)

「え?まさか本当に悪魔の、、、噓でしょ」

フレデリカはエレボスが聞いた声を悪魔の声だと考えた

(神のお告げならぬ悪魔のお告げに見せかければおかしくはないだろ)

そのエレボスの考えが成功したのであった

「それであのお嬢さんはどこの家なのでしょう?」

「ああ。ヘルメス家の娘らしい。侯爵家らしいから俺達と同じだな」

エレボスがそう言った その瞬間

「は?!」

フレデリカは唖然とした様子だった

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