領地と秘密

ベルムート家・エレボスの部屋

「ではおぼっちゃま今日の復習です。まず、問題ですが貴族の収入源と仕事は何だと思いますか?」

フレデリカがそう聞くと

「収入源は領民からの税が主です。他にもいろいろありますが主は税です。仕事は領地の管理とそこから国への税を納める事。また緊急時に部隊を出すことですね」

エレボスはそう答えた

「正解です。ベルムート領は土地が豊かですから取れる作物は多いですし、北の魔国から攻められることは絶対にないのでとても安定しています」

「そういえばベルムート家に部隊はあるんですか?見たことないけど?」

エレボスがふとそう聞くと

「魔国に攻められる可能性があると言ってベルムート家は緊急時に部隊を出すことはないので無いですね。領内で問題が起こっても武闘派のメイドで解決できますから」

フレデリカはそう答えた

「なるほど」

(武闘派メイドってどういうことだよ、、、確かにフレデリカとか強いけど)

それを聞いてエレボスは内心そう思った

「では次に、この領地の情報について答えてください」

「北東西に深い森。森にはモンスターが多く生息してる。南には領民が暮らす村があり、小麦と特産物のメーロンを作っている」

「正解です。特産物のメーロンは王家に献上しているほどおいしいですからね」

「俺もメーロンは好きだよ」

(メーロン、、、メロンのことだな)

「大丈夫そうですね。今日お勉強はこれでおしまいですが、、、何か質問はありますか?」

フレデリカがそう聞いてきた 

「あー、、、そう言えば気になっていたんだが俺、村に行ったことが無いんだが。なんか理由はあるんですか?」

そこでエレボスはふとそう聞いた

「あー、、、それはですね。村長さんはエレボス様のことをご存じなのですが他の領民は知らないので混乱を生まないために連れて行ってないんですよ」

「え?どういうことだ?」

「実はエレボス様が生まれた年に王都で第1王女がお生まれになったんですよ。それで下手に侯爵家のベルムート家でも男児が生まれたと広まれば王家と関係が深くなってしまう恐れがあったのでエレボス様のことはできる限り黙秘しておこうと」

フレデリカはそう説明した

「、、、はぁー!!!」

(つまり俺のことを知っているのはごく少数ってことか?!)

エレボスは唖然とした

「ですので、エレボス様が村に行くことは当分の間は絶対にありません」

「、、、」

(村に行ってみたい)

エレボスは素直にそう考えた するとそれが顔に出たのか

「すいません」

フレデリカが申し訳なさそうに謝った

「いいよ。それはしょうがないことだしフレデリカのせいじゃない、、、ひとまず昼食食べたらまた剣を教えてくれ」

エレボスはそう言って笑みを浮かべたのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る