姉の学園出発
エレボスの誕生日から二年が経ち
「それじゃー、エレボス、、、行ってくるね」
「はい、お姉さま。王都でもお元気で」
姉のエリンが王都の学園に行く日が来た
「私達はエリンの付き添いで数日家を空けるがメイドに任せてあるから困ったら頼りなさい」
「寂しいとは思うけど、ごめんなさいね」
「大丈夫ですよお母さま。むしろお母様とお父様が居ない分自由で嬉しいぐらいですよ。1日ぐらいデートでもしてきてはいかがですか?」
「はは!ベルムート家の跡取りは既に口が回るな」
エレボスの言葉にラオスが嬉しそうにそう言う
「だが、おそらく2週間ぐらいは開けると思う。大丈夫だと思うが夜盗には気を付けろよ」
「はい。お姉さまも学園ではお気をつけて。お姉さまは侯爵家の家柄で美しいのですから恐らくは、、、」
「大丈夫よ。貴族の礼式はしっかりと覚えたし。私の話術はエレボスが一番知っているでしょ」
エレボスの心配疎な声にエリンがそう元気よく返す
「そうですね」
(姉さんの話術はもはや詐欺師の域どころか超えてるからな、、、並みの貴族じゃ軽く遊ばれるだけだろ)
そうエレボスは自分もやられた姉の話術のやばさに苦笑いだ
「では、行ってくる。フレデリカ。屋敷を頼んだぞ」
「はい。ご主人様」
フレデリカと呼ばれた女は頭を下げた
フレデリカ、、、この家のメイド長である女性だ。20代後半といってもおかしくないスタイルと顔の瑞々しさだが実年齢は40代らしい。俺に勉強を教えてくれる先生でもある
パカラ パカラ
そうしてエリンと両親を乗せた馬車は屋敷を出ていくのであった
「では、お坊ちゃま。戻りましょうか」
「うん」
「今日はいつも通り昼までにお勉強を終わらせて、お昼を食べましたら今日は剣を教える日でしたね」
「ああ。お母様もいないから当分は魔法じゃなくて剣だけに集中するよ」
「そうですか。程ほどですからね。ただでさえお坊ちゃまにはまだ剣は早いというのに、これ以上は本当にお母様に怒られますよ」
エレボスがフレデリカに剣を教えてもらうようになったのは1年前からだった。元々はもっと早くやりたかったのだが母親のサーレがなかなか許してくれずすでに王都の学園の中等部までの数学をマスターしたことでやることがないといってどうにか説得した過去がある
「わかってる。だが、お姉さまは3属性も魔法が扱えるのに俺は2属性だし固有魔法も無い、、、なら剣術でどうにかしなくちゃ」
「2属性扱える時点で十分なんですけどね、、、では、本日の勉強を始めましょうか。今日は領地運営についてですよ」
「はーい」
そうして二人は屋敷の中に戻るのであった
ベルムート・エレボス
適性 火 風 闇
魔力量 310
固有魔法 ベルフェゴーラ(回復・解呪)
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