二つの危機

「冷静になれ!」

エレボスはそう自分に言い聞かせ強制的に冷静になる

(これはバレるわけには絶対にいかない!バレたら碌なことにならない)

「姉さんが俺の魔法適性のことを今は忘れてくれるとしてもいつかは判別することになる、、、どうにかして誤魔化さないと!」

(でもどうやって!)

そうエレボスが頭を悩ましていると

ゴトッ

「っ!本?」

一冊の本が本棚から落ちた その本のタイトルは

{魔法集・闇魔法}

だった 

「、、、っ!闇魔法でどうにかごまかせる魔法が!」

そう考えたエレボスは本を床から拾い上げる 

するとさらに落ちた拍子に開いていたページに

{コンセアルメント}

効果 自身の情報を遮断できる


といううってつけの魔法があった

「っ!神様ありがとー!!」

そう叫びながらエレボスは詳しい説明を見る

(コンセアルメント、、、自分の情報を遮断できる。例としては適性診断紙の情報の抹消や干渉系魔法の妨害することができる。ただし光魔法での干渉魔法には相当な技能がないと防ぐことができない)

「なるほどな、、、ひとまず適性診断紙の件はこれでどうにかできる!」

そうエレボスが喜ぶと同時に

「エレボス様ー!お父様がお呼びです!」

外からそう声がかかった

「わかりましたー!今行きます!」

そう言って本を本棚に戻して書庫から出るのであった



食堂

「お父様どうされましたか」

「ああ、エレボス。知っての通りエリンが固有魔法を発現させたことについてだ」

「なるほど」

「本来なら喜ばしいことなのだが、、、固有魔法の効果が悪魔様関連でな」

ラオスの言葉が鈍る

「この国では中級階級以上の家は基本的に、12歳になると学園に通うことになる」

「学園、、、なるほど」

(いかにもな所が出てきたな)

「学園に入ると強制的に魔法適性などを見られてしまう」

「っ!それって」

エレボスも父親の顔色が悪い理由を悟る

「そうだ。このままだとばれてしまうのだ」

「ごめんなさい。お父様、お母様」

エリンの目に涙が浮かぶ

「いや!固有魔法がこういう形で出たのだうれしいことだよ、エリン」

「そうよ!それに対策がないわけじゃないわ」

そう言うとサーレは

「二人とも書庫にもう一度行くわよ。そこにこの問題を解決させる方法があるのよ」

「「え?」」

それを聞いてエレボスとエリンはそう漏らす

「ベルムート家の宝物庫に今から行くわよ」

「そこにエリンの問題を解決できる宝物があるんだよ」

そう言って二人は歩きだした

「、、、行こうお姉さま」

「うん」

その後ろをエレボスとエリンもついていく

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