悪魔信仰の家

「くそったれ!とんでもない家を引いちまった!」

皆さまいかがお過ごしだろうか転生して5年。俺ことエレボスは今5歳の誕生会を終えて自室に居るのだが

「とんでもない地雷踏んだ!」

絶望していた


こんなことに俺がなっている理由は少し前までさかのぼる



「では、エレボスの5歳の誕生日を祝って乾杯!」

「「乾杯!」」

「か、乾杯」

照れながらエレボスもグラスを掲げる

「照れなくてもいいのよ」

「エリンお姉さま、、、そうはいっても」

それを見て姉のエリンがそう言った

「ふふ。エリンもすっかり姉としての振る舞いが板についてきたわね」

「そうだな。しっかりしすぎて本当に10歳かどうか気になるよ」

エリンの姉としての行動を見て母親と父親がうれしそうにそう言う

ちなみに父親の名前はベルムート・ラオス、母親の名前はベルムート・サーレだ

「お父様とお母さんの教えのおかげですわ。ベルムート家の血筋たるものと幼いころから言われてましたからね」

エレボスがそう言うと

「小さいころからエリンもエレボスも良い子で私達も助かっているよ。悪魔様の祝福かな」

「二人が私のおなかに居る時は毎日アロケル様にお祈りをささげていたからね」

「はは。アロケル様の博識さの一端をいただけたんだろう」

3人がそう話していると

「ん?悪魔様?」

(なんかやばいこと言ってないか?この3人)

エレボスは3人が悪魔という絶対にヤバいものを敬っていることに気が付きそうつぶやいた

「お!気が付いたか」

すると父親のラオスがそれに反応した

「エレボスも5歳になったのだからこの家について教えよう。この家は代々悪魔様への信仰を捧げている、偉大なる家柄なんだよ」

そしてそう言った

「、、、は?」

それを聞いてエレボスは唖然とする

「ここは北の魔国と接しているでしょ。これはたまたまじゃなくて初代当主が魔国王家の血を引いていてこの国に悪魔信仰を教え、忌まわしき邪神セラフとその教徒を滅ぼすことが目的でここの領地を魔龍バハムートを討伐した褒美にもらったのよ。それでベルムートと家名を名乗っているの」

母親のサーレがそう説明すると

「、、、なるほど!自分が健康にここまで生きてこれたのは悪魔様のおかげなのですね!」

エレボスは速攻で悪魔への賛美を口にした

「さすが私の弟ね!そうよ、悪魔様の恩恵が私たちにはあるのよ!」

エリンはそれを聞いてエレボスに抱き着いた

「はは。お姉さまと出会えたことも悪魔様の導きでしょうね」

エレボスは表向きはそう言うが

(絶対この家やばい!!下手したら一家全員処刑されかねないぞ!)

内心大焦りだった

(さっさとこの家出るか俺が悪魔信仰してないことを証明できるものが無いと俺も死ぬ!、、、そうだ!)

「で、でもお姉さま?メイドさん達はそのことを外でばらさないのですか?王国に告げ口されれば自分たちを殺そうと攻め込んでくるかも」

エレボスがそういうと

「それなら大丈夫だ。この家のメイドは全員魔国の敬虔な悪魔信仰者だからな」

ラオスがそう返した

(詰んでる!!)

「そ、そうですか」

エレボスは絶望しながら飯を食べ

(あ、これおいしい)

現実逃避していた

しかし

「それにしてもそこまで悪魔様への信仰心があるなら書庫の本を読むと良い。場所は明日にでも教えよう。今は食事を楽しもうじゃないか」

ラオスがふとそう言った

「書庫!」

(本が読めるのは大きいぞ!情報が大量に手に入る!!)

思いがけない朗報にエレボスは嬉しそうに驚愕の声を上げた

「エレボスは本当に本が好きね」

それを見てサーレがそう漏らす

「お姉さまに昔から読んでもらっていましたからね」

エリンがそう言うと

(そういえば、呼んでくれた本全部に一切神様がでてこなかったな。なるほどなー)

赤子の頃からの経験でなんとなく察した

そんな事を考えていると

「そんなこと言ってくれるなんてお姉ちゃん嬉しいわ。そうだ!誕生日プレゼントに魔法見せてあげる!」

エリンがそんなことを言ってきた

「魔法!!お姉さま魔法使えるんですか?!エレボスは驚きと興味に染まった声をあげる

「ええ。私結構魔法の腕前が良いから簡単なものなら使えるのよ」

エレボスのキラキラした目線にエリンはそう胸を張って答えた

「エリンは本当に天才だからな。7歳の時には使えてたから相当天才なんだろう。今までそんな年で魔法を扱えるなんて聞いたこともないからな」

「悪魔様の加護ですね。食事が終わったら見せてもらいなさいエレボス」

両親もそう言う

「はい!」

そうして食事は進んでいった




「じゃー、魔法を見せるわね」

「はい!」

食事が終わりエレボスとエリンは庭に出た

「まず魔法を見せる前に魔法について説明してみて」

エリンがそう言うと

「魔法には属性があって無属性以外の魔法を使うにはその属性の適性が無いと使えない。ですよね?」

「正解。じゃー、属性の種類は?」

「火・水・風・雷・地・自然・闇・光の8つですよね。お姉様はどの属性が使えるんですか?」

「私が使えるのは火と雷と自然ね」

「み、3つも?!」

(普通に強!)

「そうよ!ちなみに3属性も使えるのは{スリーカード}と言われているのよ。2属性は{ペア}ね。じゃー、行くわよ」

エリンは的目掛けて構えた

「ファイヤ・ボール」

ドン

そしてエリンがそう唱えると大人の頭ほどの大きさの炎の弾が放たれ

ドカン

的が消し飛んだ

「っ!すげー」

「ふふ!すごいでしょ!」

「うん!」

そう言ってエリンは誇らしげに胸を張った だが次の瞬間

「悪魔様の力があればもっとすごいのを見せれるんだけど、、、まだダメって言われてるのよね」

「えぇ」

(ダメだこの家)

そうして自室にエレボスが戻り冒頭になる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る