第30話 とりあえず村に帰ってきました

申し訳ございません!

幼馴染の『ジン』とカフェ店主の師匠『ジンおじさん』の名前が被っていたので、師匠を『トーリスおじさん』に変更します!

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 夕方、ようやく領地に帰ってきた。

 帝都では色々あったし、新しい仲間——カフェの店主バドスもついてきたし。

 なかなかにハードな旅だったな……。


 そして馬車から降りると、村の人たちが寄ってきた。


「おかえり、マルセル兄ちゃん!」


 子供たちも嬉しそうだ。

 その後ろからトーリスおじさんが寄ってきた。


「おお、おかえりマルセル……って、お前はバドスか?」


 トーリスおじさんはバドスの方を見て目を見開く。

 バドスはトーリスおじさんがいることを知ると、目を潤ませた。


「お久しぶりです、師匠……」

「……なんでこんなところに来たんだ! お前は自分の店を持ちたいと言っていただろう!」


 トーリスおじさんはバドスを見ると、目くじらを立てて怒り出した。

 それに対してバドスはシュンとなって謝った。


「す、すいません……。でも突然消えたトーリスさんにまた会いたくて」

「突然消えたのはすまなかった。でも、俺がいちゃあ独り立ちできないと思ったんだ」

「ああ、なるほど……そんな理由だったんですね……」


 怒られてしょんぼりしてしまったバドスのために、俺は少し補足をする。


「ちなみにトーリスおじさん。バドスさんはもう自分の店を持ってるよ。しかも帝都一の店を」

「……そうなのか?」


 俺の言葉にトーリスおじさんは目を見開き、バドスの方を見た。

 俺は頷くと、さらに言葉を続ける。


「それでもまだトーリスおじさんの作ってた理想の味に辿り着けなかったみたいなんだ。だからこうして会いに来たんだよ」

「そ、そうか……。あのクソガキだったバドスが帝都一の店を……」


 感慨深そうに呟くトーリスおじさん。

 そんな彼に、バドスは深々と頭を下げて言った。


「お願いします! また俺を修行してください! 俺はなんとしてでも師匠の味を超えたいんです!」


 その真摯な言葉にトーリスおじさんは深くため息をつくと言った。


「はあ……分かったよ。それじゃあ半年だ。半年だけ、修行をつけてやろう」

「本当ですか!? あ、ありがとうございます!!」


 トーリスおじさんの言葉に、嬉しそうに再び頭を下げるバドス。

 良かった良かったと、一件落着したその直後。


 俺たちの元に二人の人影が近づいてくる。

 それは俺の幼馴染たち、ルインとジンだった。


 ルインは俺たちを見つけると、いきなりこう言うのだった。


「マルセルさん! お疲れでしょうから、温泉とかいかがでしょうか!?」

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