第4話 「罪な男ね」

 レオと共にBチーム以下の共同練習場を訪れた俺は、3桁近い部員の中からどうにか目的の人物を見つけ出した。

 その人物の名前は、影下かげした太陽たいよう

 字面だけ見ると男性のように思えるが性別は女性。

 身長は170センチほどあり、田舎育ちということも理由なのか健康的な肌と身体つきをしている。

 そんな彼女に少し話をさせて欲しいと伝え、小規模のミーティングルームに足を運んだわけだが……


「……ぁ…………ぅ」


 影下は、極度の緊張状態にあるらしい。

 その証拠に彼女は、姿勢良くイスに座ったまま小刻みに震えている。

 視線は机を見ている、と思えば、俺やレオに素早く揺れ動く。

 まあいきなり上級生に呼び出されたのだから気持ちは分かる。

 分かるのだが、見た目に反して性格が気弱過ぎないだろうか。

 一般的な女子と比べれば恵まれた体格をしているのに。並みの男子相手に力負けしなさそうな雰囲気もあるのに。

 いや本人としてはそこを気にしているかもしれないが。

 個人的に……女子にそこまで怯えられると精神的にダメージがハンパない。


「影下さ……」

「はひッ!?」


 ただ呼びかけただけなのに緊張度合いがさらに高まってしまった。

 なあレオ、これって俺が悪いのかな?

 あぁうん……お前に助けを求めても解決にはほど遠いよね。

 ぶっちゃけレオの方が俺より体格良いし、化粧しているし、オネェだし。

 レオに変わってもらっても上手く可能性は良くて50パーセント。

 下手したら今とは別の緊張やらで反応すらしてくれなくなるかもしれない。

 彼女が引っ込み思案というか、人見知りな性格と思って慎重に事を進めよう。


「まず最初に……練習時間に急に呼び出して申し訳ない」

「いいいえ、お、お気遣いなく! わ、わたしなんかの練習よりも先輩方の用件の方が大事だと、お思います。なので、どうか謝ったりしないでください」


 今にも舌を噛みそうで怖いな。

 安全のために相づちくらいで良いと言ってもいいけど。

 そんなの失礼です! って今以上にひどくなりそうだし。

 人と話すのがあまり得意な方じゃないんだろうけど。根が良い子というか、親御さんの育て方が良かったんだろうな。


「そ、それで……わ、わたしに話があると言われてましたが。せせ先輩方はわたしにど、どのような用があるんでしょうか?」


 レオさん、この子にストレートに伝えても大丈夫だと思う?

 ……なるほど。

 そんなのアタシが分かるわけないでしょ。

 この子の場合、良いパターンも悪いパターンも両方想像できる。

 そんな感じですね。俺もそう思います。

 なので変な前置きとかせずに直球に伝えてみましょう。


「簡潔に言えば、君に俺のチームに入って欲しい」

「な、なるほど。わたしを先輩のチームに……チーム? チームって確かAクラスのリーダー権を持った上位者しか作れないあのチームですか?」

「そのチームだ」

「…………なななんあななななんあななななななんあななななッッッ!?」


 速報。

 影下さん、動揺を一切隠しもせず奇声にも似た声を上げる。そして、飛び跳ねるように壁まで後退。

 無意識に自分のことを守ろうとしているのか。

 日曜の朝に放送しているヒロインアニメの主人公が変身した際の決めポーズ。それに類似した姿で硬直している。


「ほ……ほほ……本気でおおお仰っているんでしょうか!?」

「わざわざ練習時間に呼び出してこんな嘘は言わないよ」

「ななな何で嘘じゃないですかッ!?」


 え、何で嘘であって欲しいみたいな言い方なの?

 混乱しているだけのようにも思える、が……

 もしかして俺やシオンのことってすでにAクラス以外にも広がってる?

 俺のチームに入ったら悪評が付くみたいな噂が出回ったりするのだろうか。


「わ、わわたし……今年入ったばかりの1年ですよ」

「そうだな」

「そうだなって……えっと、あの、その」


 必死に言葉を模索している。

 ちゃんと自分から意思を伝えようとしているんだ。

 ここは彼女が次の言葉を言えるまで待つ方が人として正しい。

 そう思ったのだが……


「ミカヅキ、多分今のその子には待つよりあなたからあれこれ先に伝えた方が良い気がするわよ」


 レオ、確かにその方が話は早い。

 だが俺達は影下の先輩だ。先輩として後輩の成長を考えると、やはりここは彼女が続きを話すまで待つ方が……

 影下ちゃん、すげぇレオの言葉に頷いてる。

 助け船をくださってありがとう。その意思が具現化して見えるくらい首を縦に振っていらっしゃるよ。

 だとしたら俺があれこれ先に言う方が良さそう……しかし


「俺があれこれ言ってこの子の処理能力は最後まで持つのか?」

「そんなのアタシが分かるわけないでしょ」

「影下さんは俺の言葉を受け止める準備出来てる?」

「ままままったく出来てません!」


 そこが出来ないと俺からあれこれ話すのも難しいんですが。


「はぁ……仕方ないわね。影下ちゃんが聞きたそうなことをアタシが代わりに聞いてあげるわ」

「ぁ……! あ、あありがとうございます!」

「良いのよ。アタシも同じチームとしてリーダーの考えは知っておきたいし」

「ありがとうございます。ありがとうございます。ちゃん呼びも嬉しい……です!」


 最後の方に本筋と関係ないような言葉が……

 影下さん、もしかして昔から身長高かったのかな。それで男扱いされた過去でもあるのだろうか。

 今後の付き合いを考えると気になりはするが……今は置いておくことにしよう。


「さて、まず最初に聞きたいのだけれど。ミカヅキ、あなたはどうして影下ちゃんをスカウトしようと思ったのかしら? アタシは新入生も含めてある程度の実力者は把握しているつもり……だけど影下ちゃんの名前は今日初めて知ったわ。影下ちゃんには悪いけど」

「い、いえ! わたしも把握されてなくて当然だと思います。わたし、Cクラスですし。その中でも下から数えた方が早いですし!」


 マイナスなことを力強く肯定するのはどうなのだろう。

 まあそこにツッコミを入れると話が脱線する可能性が極めて高い。

 ここはスルーするのが賢明か。


「確かに影下さんの能力は、ここの基準で考えれば低い。普通なら現状でチームに勧誘なんてされることはないだろう」

「ですです! なのでわたしを勧誘しようとしている先輩は、精神に異常をきたしていると思います」


 素直な子なんだろうな。

 俺はこれくらいで怒ったりはしないけど。ケンカを売っていると勘違いされてもおかしくない発言なだけにこの子の将来が心配になる。


「ま、ここの常識で考えれば精神異常者なんだろう。ただ俺は才川先生にスカウトされてここに来た身だ」

「あ……先輩が先日から噂されているスカウト生だったんですね。何でも初日からかなりのビッグマウスな発言をされたとか」


 それはもうひとりの方ね。

 俺は必要なこと以外は喋ってないし、直接ケンカを売るような真似はしてません。

 事が問題なく進めば、近い将来にケンカを売ることにはなるんだろうけど。

 でも今はまだしてません。


「その問題児は俺じゃなくてもうひとりの方だ。チームメイトではあるから俺の問題とも言えなくもないが……」

「も、もしや……先輩がわたしを勧誘しているのは、上の人だと門前払いをくらってしまうからとか」


 それは下の方の人間にも目を向けようと決めた理由であって。

 君をスカウトしようと思ったのは、それの後と言いますか。間接的な理由ではあるけど、直接的な理由とか関係ないというか……


「単なる人数合わせで気の弱そうなわたしに目を付けただけとかッ!?」


 人聞きの悪いこと言うんじゃありません!

 あと何で身体を守るような姿勢に切り替えた?

 そのせいであなたのお胸が強調される形になっているんですけど。身長に見合っただけのサイズをお持ちなのようで、なんて素直に想っちゃったけども。

 でもそれは思っただけで手を出すつもりとかないから。

 そんな恰好をされたら俺がまるで身体目当てで近づく変態みたいじゃないか。


「君の性格に関しては今日初めて知ったよ。事前に分かっていたのは顔とか名前くらいだし」

「え……そ、そそそれって…‥その…………わたしに一目惚れ……的な?」


 どうしてそういう解釈になる?

 この子、男慣れしてないというか一般から少しズレているのかな。

 それとも……俺って常に異性を狙っていそうな軽薄な奴に見えてる?

 なあレオ、お前はどう思……楽しそうな顔でこっちを見てるんじゃねぇ。


「罪な男ね」


 うるせぇ!

 そもそも、話の中身をちゃんと理解しろよ。

 確かに影下の顔は赤面してる。はたかから見たら俺が惚れさせたって構図に見えるかもしれねぇよ。

 でもな、会話の流れとしては俺がこの子に惚れたってことになってんの。

 勝手に俺に罪をなすりつけるな。それは冤罪だぞ。


「悪いけど、君に対して異性という認識はあるがそういう目では一切見てない」

「ででですよね! わ、わたしなんて……他の子と違って体格も良いですし。昔から男の子に間違われてきましたし。あだ名も苗字と名前のモジってエータでしたし」


 えっと、うん、何かごめん。

 ただそこまで自分のこと卑下しなくても俺は良いと思うんだけど。

 こっちとしては恋心とかは抱いてないよってことを伝えたかっただけで。


「で、でも……エータって呼び方可愛くないですか!」

「え」

「可愛いですよね? わたし、下の名前で呼ばれることはあっても身長のせいか大体さん付けで。タイヨーさんとか呼ばれても可愛くありません。エータの方が断然可愛いです!」

「あぁうん、そうだね」


 壁から全力ダッシュで詰め寄られた圧に負けて適当に返事をしてしまった。

 しかし、数秒後には冷静さを取り戻したのか。

 密着しかねない距離感と自分の行いに羞恥心を刺激された影下は、凄まじい勢いで先ほどまでへたり込んでいた壁まで戻って行く。

 今回は流れが理解できるので問題ないが……

 用事があって話しかけて今みたいなバッグダッシュをされたら世の中には傷ついてしまう男子がいるのではないだろうか。

 もしかすると、影下さんは本来とは別の意味で罪作りの女なのかもしれない。


「話を戻しましょうか。今の話からしてミカヅキは影下ちゃんを外見や内面といったものではなく、アドバトのプレイヤーとして見ていた。何かしら評価する部分があってスカウトに踏み切ったということかしら?」

「ああ」


 とはいえ、肯定しただけではレオはともかく影下本人は納得しないだろう。

 そう判断した俺はミーティングルームに備え付けられているタブレットを操作。先日行われたクラス分けのテスト結果、それの影下のものをモニターに表示する。


「これからも分かるように影下さんの総合力は低い」

「そうね。1年生の平均的評価と比べると近接面とオペレーターとしての能力が特にひどいわ」

「そ、その……人と話すの昔からあまり得意じゃなくて。近接戦闘は緊張感が増すというか、頭の中が真っ白になりやすくて」


 人間なら苦手なことが誰にだってある。

 この子の場合、今自分で言ったように性格的に他人とのコミュニケーションに苦手意識があるのだろう。

 アドバトは対戦ゲーム。

 練習を除けば人対人で行うゲームであり、味方との連携も必要になる。

 故に近接戦闘とオペレーターとしての能力が低いのは、この子の性格に起因している。これを解消するには何かしらのきっかけを得るか、長期的に見てトレーニングを行っていくしかあるまい。


「そのへんに関しては俺は問題にしてない」

「で、でも」

「今の自分を変えたいのか。それとも単純に上手くなりたいだけなのか。明確な理由は俺には分からない。が、君の中に前に進む意思があるのは確実だ」

「まあ、それはそうね。アドバトを楽しくやりたいだけならわざわざ強豪として認知されているうちに来る理由はないわけだし」


 見透かされたことが嫌なのか。

 それとも「自分なんかが……」とでも考えているのか。

 影下は身体を小さく丸めて顔半分を隠してしまった。それでも意識はこちらに向けているあたり、話を聞いてくれるつもりはあるのだろう。


「ならミカヅキはそこを評価して影下ちゃんをスカウトしようと決めたのかしら?」

「いや、明確な理由は他にある。今話したことは今日直接話してみて感じたことだ。ここに来るまでの俺は、データでしか影下さんのことを分かっていなかったからな。俺が彼女に注目した理由は……これだ」


 モニターに映し出したのは、先ほどのデータをより詳細にしたもの。

 そこから注目して欲しい箇所を画面上に強調する。


「あらあら……これは凄いわね」


 レオが感嘆交じりの声を漏らすのも無理はない。

 何故なら影下太陽という女生徒は、射撃面だけ切り取ればAクラスに在籍していてもおかしくない。Aクラスでも上位に入る能力がある。

 だが俺が彼女をスカウトしたいと思った最大のポイントは……


「射撃能力がすこぶる高い。が、最も注目すべきなのは《狙撃》能力の高さだ」

「評価ランクはテストで最大値である《Sランク》。狙撃能力が高い子は何人もいるでしょうけど……この評価を叩き出してる子はAクラスでも数人でしょうね」


 そう。

 狙撃という分野だけで勝負させれば、影下は単独でもAクラスのプレイヤーを十分に倒すことができる。

 

「これが俺が影下さんをチームに欲しいと思った最大の理由だ」

「なるほどね。確かにたったひとつのことでも分野的に秀でているものがあるなら作戦や戦術は立てやすい。正直な話、戦力として数えられるスカウトは半ば諦めていたけど。良い子見つけたじゃない。やるわねミカヅキ」

「押し付けられたとはいえリーダーなんでね。全員分のデータに目を通した甲斐はあったってことさ」

「うんうん、そうよ……全員分? それって1年生の?」

「現在在籍してる部員全員のだが?」


 え、何か俺おかしなことしました?

 レオさんから「何言ってんのこの子?」みたいな目を向けられているんですが。


「あなた……ここに転校してきてまだ数日よね?」

「ああ」

「それなのに全員分の試験結果に目を通したの?」

「そうだが」

「……凜華ちゃんが何であなた達をスカウトしてきたのか。それが少しだけ分かった気がするわ」


 頭を抱えられながら言われても誇らしい気持ちにはならないのだが。

 というか、この子……才川先生のこと凜華ちゃんって呼んでるのマジ?

 いやまあ、俺はあの人の性格を知っているからプライベートな時間なら呼ばせてくれるとは思うけど。

 もしもレオがこの学校に入ってからしか凜華さんと付き合いがないのだとしたら。

 この男のコミュ力の高さは異常だ。

 あの人をちゃん付けで呼べるのなんて……記憶を遡っても近所付き合いのある人達とか、俺とシオンが協力してた開発ドッグの人達くらい。

 このオネェ、マジでパネェな。


「さて、影下ちゃん」

「は、はぃ」

「さっきの説明で、うちのリーダーがあなたをスカウトする理由が分かったと思うんだけれど。うちのチームに入ってくれるかしら?」

「え……きょ、拒否権とかあるんですか?」


 上の言うことは絶対。

 そんな軍隊みたいなイメージをこの学校の部活動に持っているのだろうか。

 ……まあ分からんでもない。

 だって統率しているの凜華さんだし。

 でも実際は実力主義だと思うんだよな。去年までは分からないし、言葉遣いとかに関しては気を付けた方が良いとは思うけど。


「もちろん、あるに決まってるわ。無理やりだなんてお互いのためにならないわけだし。あなたが嫌だと思うなら断ってくれて全然構わないわよ」

「でも……わたしが断ったらせ、先輩達は困りますよね?」

「うん、困るわ。すっごく困る。主にミカヅキが」


 そうだけども。

 拒否権あります。断っても大丈夫です。

 そう言ったくせにそんなこと言ったら後輩は断りにくいでしょ。

 あと笑顔で事実を突きつけるのやめて。

 影下さんの答え次第で俺の今後の動きが変わるんだから。

 もしも彼女に断られたら……週明けまでにどうにか出来るかな。

 レオか水上さんのどちらかにそれぞれの仕事を兼業してもらう。そうすれば解決するけど、先を見据えた勝てるチームを作るならそれは避けたいんだよな。


「……あの」

「なあに?」

「本当に……わ、わたしで良いんですか?」

「あなたで良い、じゃなくてあなたが良いのよ。じゃなきゃ時間を割いてまでスカウトしに来たりしないわ。ね、ミカヅキ?」

「ああ。君の力を俺達に貸して欲しい」


 お願いします。

 うちのチームに入ってください。望むなら土下座だってしますから!


「……わ、かりました」


 ということは!


「わたしに何が出来るのか。先輩達が望むようなことが出来るか分かりません。けど、そこまで言ってくれるなら……二度とないチャンスだと思うので、わたし精一杯頑張ります!」


 や………やっっったあぁぁぁぁぁッ!

 よがっだ、よがっだよぉ。

 これで先に進める。チームとして活動が始められるよぉ。

 やべ、少しでも気を緩めると泣いちゃうそう。

 男たる者、人前で涙を見せるわけには。

 というか、これくらいで泣いてたらバカにされかねない。どんだけ頭悩ませたんだよって言われかねない。

 でも、うん、マジで良かった。本当にありがとう影下さん。


「よし、これでメンバーは揃った……が、チーム全体の顔合わせや練習は明日からにしよう」

「それが良いでしょうね。影下ちゃんは今日まではチーム未所属扱いでしょうし。共通の練習ノルマをこなさないといけないでしょうから」

「は!? そうでした!」

「アタシ達のことは気にせず行っていいわよ。ただ明日はこっちじゃなくて、Aクラス用の練習場に来てちょうだいね。ひとりだと入りにくいでしょうからアタシかミカヅキが入り口で待っておくわ」

「分かりました! ありがとうございます。では失礼します!」


 影下は深々と頭を下げると、勢い良く部屋から出て行った。

 途中で転んだり、誰かにぶつかったりしないといいのだが。

 まあ……大丈夫だろう。

 テンパったりするけど、運動神経は悪くなさそうだったし。何なら要所要所で見せたキレのある挙動不審さを考えると、身体能力が高そうにも思える。


「良かったわミカヅキ。無事にチームとして活動出来そうで」

「そうだな。まあ週明けからもっと大変になるかもしれないが……それはそのときに考えよう。俺はもう疲れた」

「この程度で疲れてたら凜華ちゃんの信念についていけないわよ。ま、あなたのここ数日を考えれば気持ちは分かるけど」

「だったら素直に労ってくれ」


 リーダーという立場やチーム内に1年生が居る状況を考えると、気軽に弱音を吐くべきじゃないのは分かるけども。


「そうね、お疲れ様。必要なら全身揉み解してあげるわ」

「いや、それはいい」


 解れるどころかバキバキにされそうで正直怖い。


「その献身さは明日に取っておいてくれ。メンバーが決まった以上、頭の中にあったものをよりブラッシュアップさせる。場合によってはプレイヤーよりメカニックの方にそれなりの要求をするかもしれない」

「無茶振りって素直に言えばいいじゃない。何を言われるか想像は出来ないけど、アタシに出来る範囲のことは全力で応えてあげるわ」


 やっぱこいつ、良い奴だわ。

 こいつという存在が、うちのチームが上手く機能するうえで大切な要素かもしれない。

 俺は下手したらシオンという問題児で精一杯になりかねんし。

 とはいえ、とにかく明日だな。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る