第5話 ギーネ
今日の夜伽はギーネだ。
ギーネは入ってくるなり土下座だった。
「私はみんなみたいに綺麗じゃないし、汚いこともいっぱいやってきたんだ。それでもルイ様の夜伽をさせてもらえないかな?」
俺は土下座を辞めさせると、
「今のギーネが俺の知ってるギーネだ。昔のギーネは知らないよ」
「ふぇ、ふぇぇーん」
「泣かなくてもいいからね」
そっと抱きしめる。
「昔から男っぽいって言われて、その通りだったんだけどさ。村が襲われた時逃げた仲間と盗賊なんかして」
「うん」
「人もいっぱい殺してさ、捕まった時は奴隷にされるなんて思っても見なかったんだ」
「うん」
「奴隷になったら酷いことばっかで、な、なんでもやらないと」
「うんうん」
夜伽のあとはギーネの話を聞いてあげ、慰めてあげた。ギーネは生きるために必死だったんだよな。
泣き疲れて寝てしまったギーネの頭を撫でながら俺も眠りについた。
朝にはみんな準備万端で、ギーネも元気に胸を張っている。
「さて、みんな行こうか!」
「「「「「「「おう」」」」」」」
場所はこの街、ヴィンテージの南西に位置する森の中、場所は大体わかっている様で地図を渡されている。
「ルイ様、火魔法は使わないでくださいね」
「あぁ、山火事になったら大変だからね」
ヴィンテージを出て真っ直ぐ南西に向かっている。ちょっと魔法の練習でもしようと、
「魔法つかってみるね」
「はい」
「ウインドカッター」
サーッと草が切れていくのが分かる。
『ギャンッ』
「あれ?」
「グラスウルフですね、手足が切れてますので綺麗にトドメをさしたら高く売れますよ」
そういわれるとちょっと緊張するが、
「ウインドアロー」
眉間にウインドアローを放ってトドメを刺す。ディナが血抜きをお願いしてきたので水魔法を使って血抜きをする。
これで、金貨一枚はするらしいから儲けもんだな。
途中休憩を挟み、ディナがミルカをおぶってゴブリンの集落に到着した。
「なんか規模が大きくないか?」
「ゴブリンが成長したのでしょう。辞めときますか?」
「いや。やってみよう」
作戦という作戦はない。集落の一角から攻め込んでいくだけだ。
「いくぞウインドカッター」
『ギャァ!』
低めに放ったウインドカッターがゴブリンの家も壊して広がりながら飛んでいく。
「あと二発いくよ、ウインドカッター、ウインドカッター」
これで大体集落全体に行き渡ったとおもうけど。
「ゴブリンが出てきませんね」
「ちょっと見てくる」
ギーネが素早く見て回ると、こっち来いと呼ぶ。
「ルイ様の魔法はどんな威力してんだい?大体のゴブリンが足を切られて動けないし、ここにいるゴブリンキングなんか寝てたみたいだから真っ二つだよ」
そこには横に真っ二つになったゴブリンがいた。王冠も二つに分かれている。
「各自ゴブリンにとどめ刺して討伐証明の右耳取ってきてね」
ティリウスがいうとみんな動き出した。
ゴブリン以上は魔石があるらしく、キングになるとデカいらしい。
ゴブリンキング自体がでかいから胸にあった魔石もデカいな。
あとはそのまま放置するといけないらしく穴を掘って焼いた。
「ゴブリンキングの集落がこんな早く片付くなんて」
「捕虜はいなかったけどあいつら光るもの集める習性があるから溜め込んでたよ」
そこには宝石の類や、貨幣が大量にあった。
「ルイ様、レベルは上がりました?」
「ステータス」
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運河 類 二十一歳
レベル 27
力 B
体 C
速 C
魔 A
運 SS
スキル 異世界言語
アイテムボックス
剣技 四大魔法(火風土水)
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「うん、27に上がったよ」
「うへー、上がり方が凄いっすね」
「キング倒してるんだしそれくらいは上がらないとね」
集落から帰り、ギルドに報告する。
ギルドもキングまで成長してるなんて思っても見なかった様で報酬も増額してくれた。
そして、
『カンパーイ』
「うっめーっす!」
アインが一気に飲み干して言う。
「美味しー!」
ミルカはジュースだけど、今日は頑張ったからな。
「ねぇ、今日も私に譲ってくれよー」
「駄目!私は初めてなんだから駄目だよ」
ギーネとディアンヌが少し揉めていた。
ディナはいつも通りゆっくり飲んで食べている。
ティリウスはすでに酔ったのか腕に捕まっている。
「ウフフ、美味しーですねー」
「あはは、美味いね!」
大テーブルは俺らが使う為、空けてもらっている。
女将さんは奴隷だからって区別しないからとてもいい宿に泊まれている。
美味いもんと美味い酒、そして仲間にカンパーイ!
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