第4話 装備


 晩飯は一階の酒場でまた大テーブルを使わせてもらった。宿代も一週間分前払いしておいた。

「ルイ様、あーん」

「あ、あーん」

 ティリウスが積極的で少し困るな。

「ティリウス、今日は私の番です」

 ネレがジト目でティリウスを睨む。

「分かってますけど、可愛いのですもの」

 イヤンイヤンとするティリウスが可愛いと思うのだが。

 そう言えばアインやディナはどうするんだ?娼館とかあるなら早めに金を渡しとかなくちゃな。

「アイン」

「あいっす」

「娼館とかはあるのか?金ならあるからお前らも行っとけよ」

 小声で喋ると、

「マジっすか!俺行ったことないっすよ!」

「声がでかいっつーの!」

「また、あとで、部屋で話したらどうです?」

「そうする」

 ディナには助けられてばかりだ。


 晩飯も終わり、アインとディナの部屋に行く。

「娼館あります。奴隷に娼館いかせるのはあまりないです」

「そうか、でもたまにはいいんじゃないかな?」

「そうですか、でも…いや、行ってきます。アインを連れて」

 一瞬躊躇ったが二人に悪いと思っていることをわかってくれたのだろう。

「うはー、マジっすか!娼館で童貞捨てれるなんて!良かったっすね!」

「俺、童貞じゃないぞ?」

「「うそっ!」」

「ルイ様」

「「あははは」」

「まぁ、行ってきてよ。これだけあれば足りるかな?」

「十分です」

 これでアイン達も楽しんでこれるよな。


“コンコン”

「ネレです」

「入っていいよ」

 ネレは見かけによらずふくよかな胸をしてらっしゃる。

「ルイ様はなぜネレにポーションなんて使ってくださったのですか?」

「へ?怪我していただろ?」

 ネレは不思議でたまらないと言う雰囲気だ。

「目の前で怪我してるのに何もしないわけないだろ?」

「いえ、奴隷にポーションを使うなんてありえなかったので」

「そう?アインだったとしても使ってたと思うよ?」

「それは何故?」

「んー、人として治せるんなら治してあげたいから?」

「んふふ、ありがとうございます」

 ネレは嬉しそうに笑い、服を脱ぎだす。

「私はルイ様に助けられて本当に嬉しい。そんなルイ様に仕えられて本当に嬉しい。ルイ様、好きです」

「俺もネレとまだ少ししか一緒にいないけど好きになってくれて嬉しいよ」

 俺の服を脱がしてくれる。

 緑の髪が綺麗で白い肌が吸い込まれそうなほど柔らかい。

「あ、ん、」

 その金色の瞳で見つめられると目が離せない。

 唇を奪い、抱きしめる。



 俺は猿や!もういい、猿でいいや。

「アイン?どうだった?」

「俺は獣でしたね。野生の本能ってやつっす」

「ディナは?」

「久しぶりに堪能させてもらいました」

 ん?リザードマンの娼婦もいるのか?そこは聞かないでおこう。


 さて、金を作っていかないとお金は無くなってしまうからな。

「何かいい案はあるかい?」

「商人、冒険者辺りですね」

 ティリウスが話す。

「商人ギルドに登録して、商人として商いをするか、冒険者ギルドは登録してあるので、モンスターを討伐するか」

「少しはレベルを上げといたほうがいいと思うのだが」

 ディナが言う。

「そうですね、いまルイ様はレベルいくつですか?」

「八だったよ」

「八であの強さだったのですか?」

 ティリウスがビックリしている。

「ゴブリンチーフを一撃で倒していたじゃないですか」

「へぇ、ルイ様やるねぇ」

 ギーネが嬉しそうにしている。

「じゃあとりあえず冒険者しようか」

「「「「「「「はい」」」」」」」


 冒険者ギルドにつくと大勢でゾロゾロうごくのは中々に窮屈だな。

 奴隷はギルド証は要らないらしく主人が持っていればいいそうだ。


 いま武器を持っているのは俺、アイン、ディナ、ギーネだけだ。

 他の四人にも武器と防具を買わないとな。

「これでいいんじゃないかい?」

 ギーネが持ってきたのはゴブリン集落の討伐。

「いける?」

「この人数ならいけるよ」

「ならこれで」


 受付に渡して、

「これは期日がございますので注意して下さいね」

「三日だってさ」

「すぐだよ」

 ギーネの言葉を鵜呑みにするが、ディナも何も言わないのでそのまま行くことにする。


「他のメンバーの防具と武器は買わないとね」

「私は弓でミルカは防具だけ」

 ティリウスが言うと、

「私は槍でお願いします」

 ディアンヌは槍か、

「私はハンマー」

 ネレはハーフだけどドワーフらしくハンマーだ。

「ギーネは防具は?」

「軽鎧をお願い」

「はいはい」

 金が飛んでいくな。


 全員装備が揃ったところで明日行くことにした。

 携帯食糧や剥ぎ取りナイフなども買い、明日に備える。

「あっ、そう言えば魔導書があるんだけど読めばわかるのかな?」

「ルイ様ならすぐ習得すると思いますよ」

 ティリウスの言葉通り、魔導書に書いてある魔法は全て覚えることができた。


「魔法も使えるなんて余裕だね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る