第3話 ご飯
まずは風呂がついていたので風呂に入ってもらう。男部屋は四人部屋だから風呂はなし、だがシャワーがあったので男部屋でシャワーを浴びてスッキリする。
ネレとディアンヌもちゃんと服を着た様だ。首についた鉢巻きの様なものがなくなれば普通の人なのに。
「その首輪は取れないのか?」
「取れるのは奴隷紋がわかるところについている奴隷だけです」
「そっか」
じゃあみんなわかんない様なところについているんだな。
「俺っちは肩についてるっすよ」
と見せてくるアインの肩には何かの紋章が手のひらサイズのタトゥーのようについていた。
「ん、わかった。んじゃ、下で飯にしよう」
いこうとするとみんなが固まっていた。
「どうしたの?」
「……私達もいいのですか?」
ティリウスがまとめ役かな?なら、
「みんな一緒の飯を食うよ?まぁ、好きなものを頼めばいいから」
「旦那!酒は?」
「ほどほどならいいよ」
ギーネは酒が好きみたいだな。
下の酒場の大テーブルで八人、好きなものを頼み、好きに食べる。
「あ!ギーネ!俺っちの肉はダメっすよ!」
「また頼みなよ!ね?旦那?」
「あぁ、好きなだけ頼めばいいさ」
顔を赤らめてギーネはハイテンションだ。
他のみんなも最初は涙を流していたが、ドンドンくる料理に手が止まらない。
「ミルカ?美味いか?」
「ルイ様、美味しいです!」
口を拭いてあげると、また肉を頬張り汚してしまう。
みんな運が悪かったんだ。俺と一緒で。
「もー食えねーっす!」
「ルイ様、ご馳走様でした」
アインは横になって、ディナは丁寧に挨拶してくる。
ティリウスはミルカの面倒を見ていて、ディアンヌはギーネに絡まれている。ネレは我関せずでまだ食べている。
俺は心も腹も満腹だ。昨日までブラック企業で働いて、飯もカップ麺ばっかりだったのに今日からこれが続くんだろ?最高じゃないか。
飯の代金を払う際にディナが一部屋借りたほうがいいと言ってきたので何かとおもったが借りておいた。
「では、ルイ様、一人部屋にお移り下さい」
「は?なんで?一緒に寝ようぜ」
「ルイ様はご主人様になったっす。夜伽は女の仕事っすから」
アインから言われハッとする。
「いや、俺そう言うの要らないからさ、みんなで楽しくさ」
「いや、楽しくするなら余計に夜伽は大事っすよ。女の夜伽を拒むと死ぬほど落ち込むっすから!」
「で、でもな、俺そう言う経験ないし、避妊も」
そう、おれは童貞だ。
「なら、俺らに任せてくださいっす。あと奴隷は避妊魔法で子供できないっすから」
「ルイ様、部屋でお待ちください」
ディナに部屋から追い出され、一人部屋に向かう。
“コンコン”
「ルイ様、夜伽にまいりました」
「は、はひ!」
この声はティリウス。入ってきたのはやはりティリウスで服を着ている。
「ほっ、ティリウス、俺は夜伽なんかしてもらわなくてもみんな平等に家族だと思って接するつもりだからさ」
「ルイ様、ミルカはまだ幼いですがその他の女はルイ様に抱かれるのを待っております」
「いや、でも」
「ルイ様、奴隷とはなんなのでしょう?私は仕事と思っておりました。でも、ルイ様と出会って私はルイ様に惹かれております」
「ティリウス」
「仕事ではなく抱いて欲しいのです。ダメでしょうか」
ベッドに押し倒されキスをされる。
「私は今までこんな気持ちになったことがありません。ルイ様」
「ティリウス」
ここまで言わせて出来ないわけ無いじゃないか、俺の俺も合意の上だ。
服を一枚づつ脱がしていき、裸で抱き合う。俺より少し背の低いティリウスを胸に抱き、下へ舌を這わせていく。
準備は十分なようですんなり童貞を卒業した俺は猿になっていた。
朝日が眩しい、結局一晩中ティリウスといたしていたので一睡もしていない。
ティリウスに寝てていいよと言い、今日は昼過ぎまで何も出来なさそうだからディナに金を渡しておく。
「ルイ様、我等にこんな」
「いいからみんなで朝飯でも食べてくるといい、また昼くらいになったら一緒に食べよう」
「わかったっす。早く寝たほうがいいっすよ、ぶっ倒れちまう」
「あぁ、そうするよ」
一人部屋に戻ってティリウスと抱き合って眠る。
起きたのは昼はとっくに過ぎていて、夕方だった。
「ごめんみんな!ご飯食べた?」
「食べたよ、ルイ様が心配するからってディナがいうから」
「一食くらい良かったのですが、ルイ様だと心配するかと」
「ディナありがとう!よくわかってくれたね」
はぁ、良かった。みんな腹をすかしてるんじゃないかって起きてビックリしてここに来たんだった。
「心配症ですね、ルイ様は」
「ティリウス、お腹空いた?」
「大丈夫です。夜に一緒に食べましょう」
距離が縮まっていて嬉しくなる。
「これ預かってたお金」
「もっといてくれるか?またこんなことがあるかもしれないし、必要な時は使っていいから」
ディナがお金を返そうとするが止めておいた。俺がまたいつ猿になるかわからないからな。
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