第39話 優しさ

俺はユキの部屋に、引っ越ししたばかり。

散らかってると聞いたが、さほど散らかってない。

綺麗好きだったね。


あれから、何度もるいに連絡しているが、繋がらない。もちろんさきからも、連絡ないってことは、

るい、どこへ行ってるんだよ?家にもいない。


【ユキ、遅くにごめん】


【待ってたよ、涼さん。何か食べるの作ろうか?!】


【お腹いっぱいなんだよ。さきのホテルで…】


【そうなの?さきに呼ばれたの?】


【ちょっと面倒なことになってごめん、詳しくはあとで、聞きたいんだけど、るいから連絡ない?】


【…ない】


【そうか、実は喧嘩してしまって。るい。急に変わってしまったみたいに】


【そう…何かあったのかな?】


【俺がさきのホテルで検査のこと、言われてうるさいなって態度したからかな?】


【それだけで、るい、そんなに怒るかな?他にも

理由があるかもね】


ユキ、態度よそよそしい…


【ユキ、最近話し方や雰囲気変わったよね?】


ユキが、微笑んで髪をかきあげて、


【そう?色っぽくなった?どう、涼さん】


ちょっと、ちょっと、冗談はやめてくれ。

確かに魅力的になったよ。でも、今は…


【魅力的になったよ】


【じゃあさ、るいと喧嘩してる間だけでも付き合っちゃう?どう?】


【無理だ。ごめん。るいのことしか考えられない】


【真面目だな~、私が黙ってるって。ねっ】


ユキが上着を脱ぎ、タンクトップに。

前に見たことあるけど、それで迫られたら、

駄目だ!こういくのは良くない!


【ユキ、とりあえず上着来て。エアコン効いてるかる暑くないよ、ここ、はい】


【じゃ着せてよ。せめて】


なんだよ、もう。話が出来ないじゃん。

俺は着せようとユキに腕を回したとたんに、

急に、ユキに引っ張られた!


ユキに覆いかぶさるようになってしまった。


【涼さん、私はるいの変わりになれない?】


【…】


【何で何も言ってくれないの?迷ってるの?】


【…ユキ、確かに昔の俺ならここで、でもね、ごめんね。るいへの気持ちが強すぎて、大きすぎて】


【じゃあさ、るいがもし事故とかに会ってさ、戻らない人…】


【言うな!!!!!!!!そんなことあるわけ無いだろ!】


ユキをきつく見つめて、肩を強く抑え込んて。

言い放った。


ユキは涙目になり、いや、少し涙を流して、


【るいは幸せだね。涼さんの想い半端ない。強すぎる。バカ!るい、あんたの負け。涼さんの想い解ったでしょ!だから、涼さん過去を変えなかったんだよ。それほどの想い。愛。この先無いからね】


ユキ、ごめんね。肩痛かったね。

ユキをそっと起こし上げ、上着を着せて、

ユキの頭を撫でて、


【ユキ、ごめんね】


ユキは、俺にデコピン!あっ、痛!


【涼さん、あなたの優しさ、時に傷つける。それはとても残酷。本当に大切な人を手放したくないなら今後気をつけること。約束出来るかな?】


【…はい】


ユキは、笑って、


【良い返事!よく出来ました!ユキちゃん劇場:完】


ユキちゃん劇場?俺を褒めてくれて、なんか、

嬉しいけど、俺が知りたいのは、


ユキは、俺の口を手で塞ぎ、


【るい、もうじゅうぶん解ったよね?これで納得しないなら本当に涼さんもらうからね!】


えっ!えっ?何?………うわっびっくりした!

るい、何でここにいるの?


そこには涙で👕までビショビショの、るい。


【涼ちゃ〜ん😭ごめんなさいー!😭】


るいが抱きついてきて。俺にしがみつき、大泣き😭


【るい、ここにいたのか。ごめんね。それに、俺走ったから、その…】


【うん、汗臭いよ。でも、もっと匂い嗅いでいたい。安心していたいから】


俺はるいを抱きしめて、今までのこと思い出した。


【玲奈、ユキのこと不安にさせていたね。さっきも思い出を楽しそうに話してしまって。るいの気持ち考えて無かったね。もうしない】


強く強く抱きしめて、るいを離さないでいた。


【涼ちゃん、不安だったの。それで、ユキに頼んで。もし、答えによってはもう二度と会わないつもりで。だから、こうなれて嬉しい】


俺はるいの頭を撫でで、


【るい、ドッキリ大成功!、だったんでしょ?】


るいは泣きじゃくった笑顔で、俺を見つめて、


【うん。大成功!】


俺はるいの涙を指で軽く拭いて、

涙の跡に軽くキスをして、


【るい、これから悲しませることはしない。俺の命尽きたら、先にエデンで待ってる】


【涼ちゃん、エデンで素敵な人いたら?】


【見ない、聞かない、言わない。るいが来るまで】


【エデンって、日光かな?】


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


暫く抱きしめていた。ずっとこのままでいたいね。

るいの匂い、凄く好き。


【あのさー、いいかげんにしてくれないかな?

人の部屋で何プロポーズ第二章やってんの!】


あっ。ユキ。俺とるい同タイミングで、


【ユキ、ごめん】

【ユキ、ありがとう】


ユキは、呆れて、ため息をついて、

オーマイガーのポーズ。そして、


【それで、私に話って何?】


何だっけ?忘れちゃった!

んっ?スマホ鳴ってる。何だ、さきか…

ほっておこう。


何だっけ?話って?


まぁ、いいか。たいした用事で無いね。

るい、俺にくっついて離れない。

可愛い!!これからスイート戻ろうか?


ユキが、


【私に何か話って、何だったの?】


だから、忘れたってーの!思い出したら話す。

るい、なんかとても可愛くて可愛くて、


ユキは、再びオーマイガー!そして、


【駄目だ、こいつら目が♥何聞いても無駄!】


だからさー、もういいんだって!ユキ

るいが可愛くてねー。チュ😚!!


ユキ😡


【出てけ!お前達!もう来んな。明日早いの、私!】


追い出されちゃったね…でも、いいよね。

離れたくないよね。暫くこうしていよう。


るいへのプロポーズ第二章っていいね!


何か話しがあるから、俺、ここに来たんだよな?

後で考えてみよう。





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