第36話 信念

あのにぎやかな夏、あれからずっと、ダークホールは見かけない。俺が触れたのが最後かな?


さきの職場に行き、暇そうだから詳しく話した。

さきの予測も外れること多いけど。

少なくともるい達よりも、解ってはいるから。


【さき、悪いね、時間もらって!】


【もう~涼さん、二人で会いたいなんて♥】


【ごめん、さき。そういう雰囲気にはなれない…】


俺の真剣な表情に、さきも、


【ハズいじゃん、私…解った。ちゃんと聞こう。

何の要件かな?】


【過去に戻る途中のダークホールについて】


さきは、真剣に俺を見つめて、


【詳しく教えて】


【あの時空の狭間に次々とダークホールだと思うけど。流れ込み今まで経験したことない…あれはなんだったのか?】


さきは、


【相互に反作用が働いて消滅するのかも。私の予測もあてにならないけど…】


【時空の狭間が無数のダークホールを飲み込んだ。だとしたら、時空の狭間が上位となる。さき、時空の狭間の発生とめないほうがいいんじゃないか?】


さきは考え込んだ。悩んでる。

そして、


【もう、止めるも何も、すべきことは全てやりつくした。なので、TAを解散しようと】


それはそれで、ちょっと困るなー。


【もう二度と過去や未来に行けないのか、もし何か重要なことが起きてもさ…】


さきは、俺に指を…


【涼さん、るい、この二人が特別なエネルギーを、持ってることはもう解るでしょ?時空の狭間をコントロールして、あなた達さえ気をつけていれば、ユキに力を使わせないで済む。それでもどうしようもないことが起こったら…】


俺はうなずいて、


【俺が全てをかければいいね。ユキに負担はさせない。俺が最後になっても。俺、たまに倒れるときもあるくらいだからね】


【やっぱね、負担かかってるんだよ。もしダークホール出てしまったときは世界がそれを受け入れるしかないから。涼、全てを抱え込んでも悲しむ人が増えるだけだよ。ねー】


さき、ねーって?


ユキが部屋から!いつからいたんだ!

全部聞いていたの?


【涼さん、私はね、涼さんのいる世界が好きなの。無茶しないで。本当に涼さんを大切に思ってるの】


【ユキ、ありがとう。でもさ、俺、るいを…】


【解ってる。るいちゃんも涼さんと同じくらい大事。傷つけることはしない。可愛くていたずらしちゃうけど】


安心したよ。ユキ、割り切っているんだな。

ありがとう。


【涼さん、私達が寂しくないように、みんなで過ごせる世界を考えてくれてたでしょ?解るよ。あなたのその優しさ…みんなだから大好きなんだよ。だって、見た目じゃないもん、本当に素敵な人って】


ユキ、見た目は余計だ!傷つく…

でも、解ってくれて、ほんと、嬉しい。


さきが、


【ハイハイ、そこまでね。るいにバレたらそれこそ大変だよ。ユキも思わせぶりしないの。それに涼さんは玲奈や私みたいな美脚が好きなんだから。ねー涼さん】


【さき、私も負けてないんですけどー。ほら】


二人とも、見せつけないの。目のやり場に困るだろ!

確かに、さきも美脚だな。玲奈にはかなわないけど。ユキは…うん、可愛い感じだね。


【涼さん、今、さきと比較したでしょ?私の方よりさきの…もう、いいや。切なくなる…】


【ごめんね、ユキ。負けてないよ】


【勝ってないってことじゃん!】


あー、めんどくせぇー、そりゃさきのほうが美脚。

そう言っても収まらないんだろ、どうせ。


【あのね、美脚だけが大事じゃないから。中身。思いやりのある中身がとにかく大切。外見は二の次。レイジじゃないからね、俺】


さきが、


【私の勝ちっことで。そう言えば、レイジ今日デーㇳだったね。玲奈と】


なんだってー!


【玲奈とどこに?あいつ、彼女いたよな!】


さきは、


【あー、別れたってさ。玲奈にぞっこんで】


【そうなのか!それほど玲奈を…】


ユキが、


【レイジって、お姉さんタイプ好きだもんね】


玲奈、それはどストライクじゃん。

お姉さんタイプ!そう言えばさ、最初結婚してたの、それもあったな。魅力的っていうか。


レイジのこと、玲奈自信が気に入ってるなら、

それなら納得だけと。


さきが、俺の肩に触れて、


【涼さん、それぞれ人生あるからね。玲奈とはアオハルしたでしょ?もう、TA解散だからね、ユキも明日から来なくていいよ。るいにも言っておいて。じゃあね、遊びの連絡は常に連絡取れるように】


アオハルって、さきが使う言葉とは思えない。

無理しちゃって。でも言われる通りだね。

職場の解散ってこんなもんでいいのか?るい出社してないぞ。今日用事があるとか言って。

とりあえず俺からも伝えておけるからいいかな。


【涼さん、今日これから時間ある?】


【ユキ、どこか行きたいの?】


【前に行った喫茶店☕】


【うん、じゃ行こうか?ここの鍵は?さきさん帰っちゃったけど?】


【開けっ放しでいい。いつもだいたそうだから】


なんて無用心な職場…こんなとこに、るい、ユキ、さきの美脚さん…美人さんがいたのか。危ないな。レイジいても頼りにならない感じだしな。


二人で喫茶店へ。電車で近くはないが…

何か魅力あるんだよ。アンティークっていうか、

レトロというかね。


※いらっしゃいませ、空いてるお席へ※


二人で座り、ユキと俺はコーヒー☕を


【懐かしいね!ここの雰囲気大好き!】


【ユキは俺以外の男性と来たりするの?】


【まさか、ここには来ないよ。というよりも、涼さん以外付き合ったことないもん】


ん?俺と付き合う?どこまで記憶あるの?

そう言えば、子供になってしまったから、

詳しくきいたことないな。


ユキが玲奈の妹の子供…玲奈の養女として、

時空の狭間を乗り越え、未来からここに。


【玲奈、どこから覚えてる。本当のこと教えて】


【未来で涼さんとあったよね?あの時はいきなりびっくりしたけど、なんか懐かしくて。ここに戻ってくるのも抵抗無かったも、涼さんがいたからね】


【それで、未来で玲奈…お母さんというべきか、お母さんのこと、心配じゃなかった?】


【お母さんからはね、何度も聞かされていたの。もし今後ここじゃない場所に戻るときが来たら自分の判断を信じて行動してと、あの時は迷わなかった】


【それて、玲奈っ…ごめん、お母さんにここで会って違和感無かった?ユキが子供の姿に戻っていて玲奈…お母さんは不思議にならなかったと思うけど】


【あのさ、玲奈って呼んでいいよ。私にとってはお母さんだけど。でも不思議。私が一気に大人の姿になっても、お母さん普通に接してくれる。なんか姉妹みたい。周りから見れば姉妹だね。だから、私も玲奈って呼ぶことにしたの】


【美人姉妹だね、美脚姉妹…ごめん】 


【玲奈のほうがね、美脚…認める。悔しいけど。玲奈と涼さん、どうやって知り合ったの?】


もう、それ、るいのときも…忘れたいんだけど…


【言いづらいなら、いいよ】


【ユキ、呆れないでね】


ユキはうなずく。


【俺が海で溺れて、玲奈に助けられて…】


【えっ!水着の玲奈に?人口呼吸?】


なんで、みんな、そこに触れるの?

水着当たり前なのにな。


【うん…】


【………ダッサ………】


【なんで、るいと同じことを…ダサいのかな?誰から見ても…ちなみに俺の最初のループね、というよりも人生のときね】


ユキは笑って、


【玲奈も嬉しかったと思うよ。ここんとこ、割り切ってるように見えるけど、涼さんのこと大好きなのは変わってないみたい。寝言で涼!って何回か聞いた。私も子供の姿の頃から、ずっと涼さん好きだったもん。親子でライバル、宿敵は親友のるい、へんな関係!】


【ユキ、割り切ってるから言えるけどさ、子供の頃のユキって俺の汗、やたら匂いを…】


【あれね、涼さんに近づく口実!】


【実際は臭かった?】


【臭かったよ、凄くね】


ショック!るい、よく洗濯物を一緒に洗ってくれて。

悪いことしたなー。


【涼さん、好きな人の匂いって臭くても、安心するの。るいも同じだと思うよ。だって、るい、チュ😚って拒まないでしょ?あの瞬間は汗の匂いって凄くよく解るもん】


何から何までショックなんですけど!


【涼さん、私とは恋愛になったループ無かったの?最初は玲奈でしょ?今はるいでしょ?】


【あったよ、ユキとの大恋愛!それはそれは…】


【何!何!聞きたい、詳しく教えて!】


それから全てを話した。ユキはうるうるしながら、


【私ってなんて健気な…可愛い!】


自分で言うか!普通…確かに同感だけど。


それを聞いたユキは、俺に近づいて、なんだ、

俺の隣に座ったぞ!


【涼さん、もう一度同じこと…無理かな?】


【駄目!るいを悲しませたくない!】


ユキは、笑って、


【冗談!それに私が涼さんと付き合ったら、ね、

玲奈がどうしていいか解らないでしょ。誰か紹介してくれないかなー、涼さんレベルでいいんだけど】


なんか、俺、ディスられてる?

これ何度目?










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