第35話 幸せ

慣れてきたとはいえ、時間の移動の…

連続は疲れるよ。乗り物酔いみたいな、

偏頭痛。吐き気…倒れそう…


暫くして、明るくなってきた。ここに戻ったんだ。

記憶残ってる。何もかも覚えている。

記憶残ってるじゃん…るい、嘘つき!


この扉を開けると、玲奈が。

ただいま。って、んーと。久しぶり!!違う…


どうにでもなれ、開けてしまえ!

その場に流されよう…


とっ、いきなり!ドッカ~ン!痛ーーーーー!

急に開けるなよ!


【ん?誰?涼!、誰かいると思ったら、涼だったの?

ごめんね~涼だと思わなかった】


玲奈、誰かいたらいきなり開けるか!普通…


【玲奈、ただいま、てへっ!】


俺は玲奈をそっと包み込む…バシッ!痛!何?

何で俺ぶたれたの?


【涼、もういきなりって恥ずかしいでしょ!】


ごめんね。玲奈照れてる。可愛いね。

とりあえず部屋に入り、アイスコーヒーを。

美味い。玲奈、コーヒー入れるの上手いね。


何もしなくても、いい日曜日の朝。

暑いから、クーラーの効いた部屋で。

テレビつけて、お互い笑って…


幸せなんだよな。これで全て…

玲奈も理想の女性だし、いずれは子供も…


ありきたりな、日常。やはりなんか足りたい…


あれっ?涙?何で?


外は真夏の暑さなのに。なんでこんなに寒いんだ?

ここに何の不満があるんだ。


【ちょっと、クーラー聞き過ぎかな?寒くて…】


【涼、泣いてるの?何かあったの?】


【何もないよ。気のせいだよ】


玲奈…俺は玲奈を抱き寄せ、キスを。

玲奈も俺の背中に手を回してくる。


幸せなんだよ。これは最高に、幸せなんだよ。

なのに…


【涼、無理しないで…解ってるよ。私はね、涼、

あなたのゴールじゃないの】


【玲奈、何いってんだ?】


【さっき、外へ行って、それからほんの数分…

その数分後にあなたは大きく変わった。今キスされて、抱き寄せられて解った。涼。すごく切ない経験してきたね】


【あのー、何を言ってるのか?解らないよ、玲奈】


玲奈は笑って、少し切なく…


【もうー、騙してるみたいで嫌になる。はい、これ!忘れたとは言わせないよ】


ペンダント!るい!ここに来たのか?


【覚えているんでしょ?あなたが本当に愛してる女性!もう、仕方ないなー、ほら!】


ペンダントを俺につけて、どうするの?


【戻ったら私によろしく。未来に少し太るから気をつけてねと】


戻るったって、無理でしょ!


玲奈が扉を開けて、


【るいー!!涼をよろしく!】


るい!なんで!


俺は扉を開け飛び出し、下に走って、

そこに…


【涼ちゃん!】


【るい!】


【なんで、るい?ここにいるの?】


【だって、涼ちゃん、ミッション失敗したじゃん】


【ペンダント?それとも過去にるいと触れてしまったこと?】


【どっちも、どの道変えられなかったね。変えることって、無理なのかもね。玲奈と久しぶりに会えて…ん?涼ちゃん?ちょっとちょっと!】


俺は強く抱きしめて、るいを離さなかった。


【涼ちゃん、苦しいよ…】


【我慢しろ、暫くは】


【うん…】


俺はるいにキスを…

ほらね、やっぱり時空の狭間…現れた。

俺とるいの関連でね。もう行き先は解ってる。


【るい、戻るよ!】


【うん】


今回はスムーズ!目的地も何もかも解ってる。


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


はい、解ってる場所!戻ってこれた。俺のゴール!

さきが呆れた顔で、ちょっと、俺、フラフラ…


【ほんと、馬鹿なの?あんた達!もうチャンスないのに…仕方ないか、好きになるって何よりも強い…】


さき、言われる通り。反論無し!馬鹿なんです。

俺、倒れそうなんですけど…


俺は、

【ユキ、もう俺にヒーリング使わせないよ、っていうか使えないよ】


【涼さん、なんで?】


【大好きだからだよ!ユキ!】


るい😡ユキ😍


俺は二人に肩に手をおいて、


【どっちなんて言えないよ、それに玲奈もね】


玲奈は、


【何かついでみたいな…ムカつく!】


俺は笑って、


【玲奈も、さきも、ね。みんな大好き!】


なんか騒がしいヤツが戻ってきたぞー。


【おーい、さきさん、彼女と仲直り出来たっす…って、あれっ?みなさん、なんでここに集まってる?】

 

【レイジ、玲奈が俺にムカつくってさ!】


すかさず、レイジは、


【そうなんすか!じゃ、美脚…美人の玲奈さん、俺とちょっと最上階のラウンドいきませんか?涼さんはこの際ほっといて】


玲奈は、


【どうしようかなー、彼女さんに悪いしなー、でもお酒も飲みたいな!レイジ!美脚って褒めてくれてありがとう】


【おおっ、脈ありっす!彼女には黙っておくんで】


【こらー、レイジ!私も連れてけ!】


【さきさん、俺は玲奈さんと…】


【いいじゃん、さきさんも行こう!涼達はもう暫くここで再開を楽しんで。先に言ってるね~】


あ~あ、三人で行っちゃったよ。さきの酒乱、

玲奈知ってたかな?


【ユキ、俺本当に、何かあってもユキ守るから、俺に絶対ヒーリング使わないでね。使うこと絶対にないけどさ】


ユキ、嬉しそうにして、


【涼さ~ん、そんなに私のこと、ありがとう。

チュ😚!】


【ユキ!テメー、意味はき違えるな!涼ちゃんもユキに勘違いさせないで!だいたい、涼ちゃんは昔からそういう…と…ん?チュ😚?】


るい、うるさいよ。これで静かになったろ。


【涼…ちゃん…もう。急に…】


ユキが、ニヤリとして、


【わー、るいちゃん、可愛い!乙女!】


【うっさいな、ユキ!】


こんなことだったんだ。俺が求めていたことは。

大切な人達、みんなで楽しく…


本当に求めていたんだ。こんなふうに、

みんなが寂しくない、孤立しない世界だったんだ。


そのために、俺はみんなと会ったんだよ。

近いうちに全てを伝えるね。


幸せだったよ、俺の人生。ありがとう。


【ユキ~!お前のチュ😚って安すぎるんだよ!簡単に涼ちゃんにするな~!涼ちゃんは私の…】


【るいちゃん、もう可愛いんだから、じゃるいちゃんにもチュ😚】


【ユキ!おちょくってんのかよ!テメー】


おいおい…るいが手球に取られてる。

ユキ、すごいな!


【早く来いって!お前達。ラストオーダー近いぞ!こないつもりなら、オエ!、別の店に、ゲホッ!】


さきが来たよ。酒乱女。玲奈大丈夫だったかな?

また🤮のはやめてくれよ!


なんだかんだ最強だよな、こいつ。


と、いうと玲奈とレイジ二人になってるのか。

名前も似てるな。ドラマに使えそうな…


ちょっと見てこようかな?


俺はラウンドへ。楽しそうに玲奈、良かった。

良くない!レイジ目線が玲奈の美脚に!


【おい、レイジっ!どこ見てる?】


【おっ、涼さん、来ましたね。あれ、さきさんは?さっきまでいたけど?さきとさっき…どうすか?】


【知らないよ、くだらない!玲奈もあまり美脚見せつけるなよ。お前も悪いぞ】


玲奈は、クスッと笑って、


【あれ~涼、妬いてるのかな?それとも、涼も美脚好きだったかな?ほらー、好きなだけ見ていいぞ】


【玲奈さん、素敵っす!涼さん、美脚好きって、

同士すね!】


確かに、美脚好きっていうか、俺、何しに来たんだか。玲奈も誰かを好きになる権利あるよな。

でも、こいつは駄目だ!チャラ男過ぎる。 


俺も人のこと言えないね…反省…

玲奈の美脚…見てしまった…






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